サイトアイコン 3100.work

コミュニティをつくって、自由に生きるという提案

問題解決ではなく、質問を

 

普段、コミュニティをお金にしましょう的な本は読まないんです。どうにも性にあわなくて。人と人との繋がりは大切だと思いますが、それをお金に変えるために戦略的に生きるというのは、どうもあわない。どうあわないかというと、良心の呵責というよりも、人と人の結びつきは利害を超えたところにあるものだろうというロマンチックな妄言を払いきれないからなんですね。ですから、集客テクニック、ネットワーキング、人脈づくり、すべてが嫌いです。嫌い嫌いと思い続けて、いつの間にやら人間嫌いにこじらせたのが私です。

 

では、どうしてこのような本を手にしたか。理由は3つあるのですが、私の「読書マイルール」として、好きな本、考え方が近い本を2冊手に取ったら、反対意見やあわない本を読むというものがあるからです。こうしてバランスを取らないと、具合が悪いのです。本の偏食は、実際の偏食と同じくらい人生に悪影響だと思っておりまして。そのために手にしたというのが1つ。もうひとつは、コミュニティ研究といえば社会学や地理学の研究分野だからです。近年、地方消滅が叫ばれ続け、人口流出が止まらないなかで、若者が楽しめる場所(じんぶんラボ)作りがしたいとずっと悩んでおるわけなんですけれども、その一助となればと。ならずとも、コミュニティの維持継続といった実体験があれば、社会研究の書籍として活用できるのではないかというのが2つめ。

 

3つ目は、先日紹介しました『人の目なんか、気にしない!(デューク・ロビンソン著)』とセットでAIにオススメされたからです。かたや1999年の邦訳、かたや2019年の新刊。20年も空いているのに一体どうして? という謎解きがしたくて手にしたわけです。両著を開くと、この理由はすぐにわかりました。小見出しにもありますように、どちらの本も「あなたが問題を解決しちゃいけません」と書いてあるのです。本書は「コミュニティを発展させるために、あなたがアドバイスして助けちゃダメ」といい、『人の目なんか、気にしない!』では、「いい人であり続けるために困っている人を助けることは(アドバイスすることは)、さらに困ったことを引き起こしかねない悪いことだ」という論調で書かれた箇所があります。なるほど、納得です。いまのAIはもはや、偉大なブックコンシェルジュなんですね。勝ち目はないのかもしれませんが、私も負けじと努力せねばと思った次第です。

 

困った人をアドバイスしたり手助けすることの問題点は『人の目なんか、気にしない!』のほうが詳しいですから、そちらを参考になさってください。

 

(次のページへ)

考えてみれば、コミュニティづくりが好きだった

 

「コミュニティづくりの本はあわない」などといいながら、私は昔からコミュニティづくりが好きでした。人が集まって、楽しそうにしてくれるのが大好きなんです。それを遠巻きに見ているだけでもしあわせですし、そのなかで一緒に楽しめればいうことはありません。自分の居場所がなかなか見つからないという人に、一緒に遊ぼうというのが好きといいますか、得意な子どもでした。どうやら、孤独な人間が放っておけない性分のようなんです。自分自身が孤独な人間だから、なのかもしれません。

 

こちらの本は、コミュニティをつくり、人脈をこしらえて、マネタイズする。すなわち換金する方法を述べるわけですが、それらのノウハウをマネタイズするためには使わず、コミュニティの充実に再投資すればどうなるか。この社会実験をしてみたいと考えています。私は行き当たりばったり、思いつきばかりの人生ですが、このコミュニティづくりに関しては首尾一貫しているようなんです。小さいころからコミュニティづくりが得意という性分は、いつかは自分の村を持ちたい、街をつくりたいという夢になり、テレビゲームではシムシティや桃太郎電鉄ばかり遊び、大学は「都市地理学」が学びたいからと地理学科に進学し、そこで武者小路実篤の「あたらしい村」構想を知ってノスタルジーに身震いし、震災直後に故郷へ戻ってくると、父がTOKIOの「DASH村」好きだということがわかり、ああ、血は争えないなと妙に納得したり。なにやら、一本筋のあるストーリーを描き出しているのです。

 

もしかすると、すべては「じんぶんラボ」のようなものをつくるために運命付けられていたのではないかと、運命否定派の私ですら思うほど。「村(コミュニティ)をつくること」は私の人生の根幹なのやもしれません。

 

もちろん、再投資どころかマネタイズすら不可能で、つまるところ「そんなことで食えるかアホめ」ということになりはしないか? という恐怖はあります。ありますが、やっぱり挑戦してみたい。小さな小さなコミュニティから、リアルシムシティ、リアルどうぶつの森、リアル桃太郎電鉄をやってみたい。そのためのテクニック集として、武者小路実篤の隣に置いておこうと考えております。

 

蛇足

 

じんぶんラボ、リアルシムシティについてはまだまだ計画段階ですが、ぜひやってみたいという方がおられましたらお声がけください。徳島県の中〜南部でなにかできればと考えております。なにをするにも仲間集め。つまりはコミュニティは必要ですからね。

コミュニティをつくって、自由に生きるという提案 [ マツダ ミヒロ ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2019/3/12時点)

楽天で購入

 

 

モバイルバージョンを終了