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部下と職場が動き出す、仕事の時間術

部下が仕事の優先順位を理解できないのは上司の責任

一般社員は優先順位という発想を持っていない

 

びっくりするかもしれませんが、一般的な社員は仕事の優先順位という発想を持っていません。または、持っていても希薄です。いわれた仕事を順にこなすのが「ふつう」だと思っているのです。ですから、急ぎの仕事も、いつでもいい仕事も、いわれた順にこなします。手をつければすぐに終わる仕事も、長い時間がかかる仕事も、同じ皿の上に乗せてしまいます。

 

これは仕方のないことです。コンビニやハンバーガーショップを思い浮かべてください。店員は、お客さんが並んだ順番に処理するのが「ふつう」です。レジでも、窓口業務でも、仕事の単位は「今現在」です。長くて数日が単位。一方で、優秀な社員、役員候補は週〜月単位、社長は年単位で仕事を眺めます。社長からみて、一般社員がまるで優先順位づけができない、仕事のやりかたに問題があると思うのは当然で、100分の1以下の視点でしか仕事を見ていないからなんです。

 

でも、それについて文句をいってもはじまりません。彼らの仕事観は「今現在」であって、それが当然だと思っているからです。まずはそれを打ちこわさなければなりません。

 

上司は部下の仕事を定期的にトリアージする

 

トリアージというのは、緊急の医療現場で行われる重症度診断です。本当に危険な状態から安心できる段階まで色分けして患者を見ます。仕事も同じです。できれば全社統一で「色」で仕事を優先順位づけし、管理することをおすすめします。大急ぎは「赤のクリアファイル」「今週中は黄色のクリアファイル」「いつでもは緑のクリアファイル」そして「黒はクレーム発生等重大案件」。このように色で語らせるのです。この手法のいいところは「あの仕事急どうだったっけ?」という時間の無駄がないだけでなく、全社統一規格なら同僚が休んだ場合に仕事の引き継ぎが楽であったり、部下が仕事を溜め込んでいたら、引き受けてやれるということです。そのためにも、仕事は1案件ごとに社員の名前入りでクリアファイル1枚に入れることとします。これなら、いくつの案件を抱えているのかもわかりますし、共有のキャビネット(誰もが見える扉のない棚)に置くようにすれば、優先順位のつけかたがおかしくて赤のファイルだらけの社員や、緑だらけの社員、仕事を持っていない社員が一目でわかります。

 

ただし、これだけで動くほど社員はヤワじゃありません。どうして色がついているのか、1案件1ファイルなのか、事細かに説明してもしなくても、やっぱり社員は動かないですし、それだけでは仕事の順位づけはできるようにならないのです。そこで、上司が定期的に優先順位チェックをします。このチェックのポイントは、定期的にすることです。抜き打ちではダメです。

 

なぜ抜き打ちではダメなのかですが、抜き打ちだと最初の数日は「いつ見られるだろう」と思ってやるかもしれませんが(やりませんけど)、そのうち「いつ見られるかわからないなら、どうせやっても同じだ。抜き打ちのときに怒られたほうが楽だ」と思うようになるからです。それが人間というものです。ですので、毎週なら毎週、必ずチェックする曜日を決める。そうすれば、「チェックする日はわかっているのに、やらなかったのはどうしてですか?」といえます。これは言い訳不能です。自然災害的な抜き打ちには不可抗力を言い訳にできますが、くるのがわかっていてやらないのは単なる手抜きです。部下に強く当たらなくても、「どうして?」と質問すれば気づきます。

 

定期的にチェックして、「この仕事は赤だ」「これは緑に格下げだ」「これは午前中に終わらせろ」と優先順位のつけかたを逐一レクチャーし、部下の体に馴染むまで付き合うことです。ただ、こういうことを実施しようとすると、1回いえばできるようになると思っている上司が多いです。1回ではまず無理です。3回でもダメでしょう。最低10回、付き合ってやる覚悟が必要です。いきなりできるようにはなりません。その手間を惜しんで、いつまでも部下が成長しないというのは、上司の手抜きです。成長する前に手を抜くと、リバウンドしていちからやり直しになります。腰を据えて付き合ってあげましょう。

 

 

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