お客さんが買わなかったのはなぜ?
買わなかったお客さんほど大切に
社長や店長に「なぜあのお客さんは買わなかったんでしょうか」と質問すると、まともに答えられる人は、まずいません。適当な想像をして答えてみたり、買わない客のことなんか知るか! と憤ってみたり。そんな感じです。
でも、私は買わないお客さんほど追いかけるべきだと思います。なぜ買わなかったのか、または競合他社から買った人に話を聞くべきです。買わなかった人は要らなかった、気に入ったものがなかった、お金がなかったのかもしれませんが、ヨソから買った人は、冷やかしでもお金の問題でもないわけで、選ばれなかった理由があるということです。
盗人に追い銭だという人もいますが、自社で買わなかった人にこそ、頭や時としてお金を出してでも聞くべきなんです。
お客さんに限らず、人はコントロールされることを嫌います。勉強しなさいと親にいわれる子どもほど、勉強嫌いになるように、コントロールされることへの反発は、人生を破綻させたり、大損することよりも強いのです。
いま、あなたは買わなかった人に興味を持っていません。そのまま商売を続けるということは、これからもお客さんを説得し、コントロールして売りつけるというスタンスを貫くことになるでしょう。
さて、お客さんはどう思うでしょうか。若い人はクレバーです。年若だからと舐めている人が多いようですが、顔には出さず適切に品定めをします。コントロールしようとしているなと思われれば最後。ニコニコしながらサヨウナラです。
コントロールしない方法はただひとつ。お客さんが求めているものを把握し、自社に足りないものを理解し、向こうから売ってくれといってもらえるようにするしかありません。そのためには、買わなかった人こそ追いかけまわさないといけないのです。