企業研究は本当に必要か|就職の裏技
企業をどこまで調べればいいだろう
いつもは経営者目線で書いているレポートですが、別に経営者の味方をして雇用される側をどうこうしようというような意図はないんですよ。ただ、経営者がいて、会社がないと雇用もないわけで、真っ当な経営者と会社が残って欲しいからこそ、経営者向けに書いているだけで。
そんなわけで今回は雇われる側、特に就活生などの視点でものを書いてみます。
採用活動中、よく目にする「企業研究」本当に必要なんでしょうか。
私はちょっと特殊な経歴なので役に立たないかもしれないのですが、出版の世界も事業の世界でも、まともに就職活動をしたことがありません。
「私が手伝えそうなのできました」
「私が必要そうなので受けました」
こんなレベルで面接に行きました。その会社の商品なんて1つ、2つ知っていればいいほう。社長の名前も知らないし、出している雑誌の連載がどういうものかもわからない。でも、受ける。
そもそも、企業研究なんていったところで、どこまで研究していれば会社の覚えがめでたくなるんでしょうか。興信所にでも駆け込んで、社員の一挙手一投足を把握でもしろというんでしょうか。「A部長は最近家に帰ってないようです。麻布に気に入りの店があるようですね」「営業部のBさんはXX商事からお誘いを受けているようですよ」「おたくが開発中の製品、もうすぐC社が商品化しそうです」
こんな不気味なことをいう受験者、要りますか? って話です。企業側も会社への理解を過度に求めちゃいけませんし、就活生だってそんなものを持っている必要はないんです。
そもそも、面接に行くということは、その会社が求人を出しているわけですから「お前が呼んだからきたんだけど」くらいのスタンスでもいいわけです。本来的には、ですけども。私は求人の予定がない会社にも勝手に採用ないしは契約してもらえないか聞いてまわったので、これではダメですが、求人の有無を問わず、企業研究なんて最小限で結構。それよりも大切なものがあるんです。
大切なのは価値の提供ができるか
学生時代はサークルでリーダーを……。腐るほど聞く定番のフレーズです。私はエリートでもなんでもないので、こんな正攻法ではダメでした。まわりは全員、旧帝国大学か一流私立の院生、某出版社の副編集長といったなかに「オチ要員」として最終面接に残されたりしたので、真正面からじゃダメだということがすぐにわかったんですね。
それでどんな方法をとったか。「私を採用すれば、こういう仕事をしてこれくらいの利益になります。どうですか」といった。
これだけです。学生時代からこういう事業をしていて、それなりに人のツテがある。某書店でアルバイトもしていたから店長に売り場を作ってもらいやすいかもしれない。そんな「露骨」な利益を提示したんです。
面接官の質問を遮って。
ムッとしたかたも多いでしょう。相手は部長、専務クラスでもお構いなし。こちらの話だけして、利益があると思うがどうか、ダメなら他所へ行く、したい仕事はこれとこれ。採用してから割り振るは受け付けない……。
我ながら無茶をいったものだと思いますが、バカ私大を出たアンポンタンがこれで渡ってきたので、実のところ正しい攻略法はこちらなのではないかと考えています。
誰だって使えるか使えないかわからない奴よりも、合うか合わないかは別として「すぐに金になりそうな奴」が欲しいに決まっています。すぐに金になりそうというと意地汚いようですが、会社のお荷物になるということは本人以外全員が損をする。もちろん良心があれば本人だって耐えがたい。しかし、お荷物でもなんでも、入っちまえばこっちのもんだと思っている人より、「こういうことができます。お金になると思いませんか」といってくれるほうが、ずっとスッキリしていると思うわけです。
一体、どちらが本当に意地汚いか。
本心を隠して就活し、または採用する側か。
利益や発展という共通目標のために提案しあえる関係か。
少し離れて考えれば、わかってもらえることです。
さあ、企業研究などしている場合ではありません。いますぐ自分がなにを提供できるか利益でもって答える練習をしましょう。
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