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業界ナンバーワンになると利益は4倍になる

市場の占有率の高さは会社の力量

 

昔から市場占有率で大切な数字として、3割、5割、7割5分が挙げられます。

3割取れれば最大手、5割取れれば寡占状態、7割5分で独占です。

もちろん、10割取らないとほんとうの意味での独占にはなりませんが、10割はほぼ不可能です。

あなたが飲むビール、毎日同じ銘柄でしょうが、居酒屋で飲むときや、差し入れで飲むとき、

「俺はキリンしか飲まないんだ」と断るでしょうか。まあ、飲みますよね。

このような例を出すまでもなく、市場の独占は現実的に不可能なわけです。

なので、5割を越したらその市場でシェアを伸ばすのは得策とはいえず、金銭、人的にも

投入するものに対してのリターンが減りはじめます。

 

一方で、3割までの間も苦難の連続です。業界最大手、1位になるまでもリターンは乏しいのですが、

1位になると、途端に利益が3〜5倍になります。3割しかシェアを持っていないのに、3倍以上です。

これは統計的なもので、科学的論拠はあまりないのですが、

業界1位になれば黙っていても十分な売上が立ち、ブランド化されて営業の手間、広告の費用が

無駄にならなくなるからだといわれています。試しに企業統計をまとめている書籍や新聞を

手にとって、3割以上のシェアを持つ業界最大手と2番手以下のグループとを比べてみてください。

 

社員数などで割ると顕著ですが、ひとりあたりの労働生産性(利益額)が3〜6倍になるはずです。

業界最大手はいくら優秀な人材が入ってくるとはいえ、同じ人間が働いているのですから、

ここまで大きな差にはならないはずです。

1日はみな平等に24時間しかないのですから、せいぜい2倍がいいところでしょう。

でも、現実は異なります。反対に、業界でナンバーワンになれる要素がなにもない会社は、

労働生産性が低いはずです。当たり前じゃないかといわれそうですが、ナンバーワンになれば

圧倒的に有利なのです。しかし、ナンバーワンになると決めて真剣に経営している社長は稀です。

 

「そうはいってもできないよ、ランチェスター経営だとか、オペレーションズ・リサーチだとか

聞くけどさ、机上の空論じゃないか」といって諦めてしまうわけです。

確かに、そうだと思います。ただ、ランチェスターもオペレーションズ・リサーチも

統計的に、また実践されたうえで経験的に証明されているものです。

ということは、やろうと思えばやれる。やろうと思わないから、できていないのではないですか?

 

やろうと思えばやれたのに、やらずに消えていった会社があります。ダイエーです。

ダイエーはご存知のとおり超巨大企業でした。しかしながら、あらゆる業種に手を出して、

どれも圧倒的なナンバーワンとならず、シェアの寡占を目指しませんでした。

結果として各個撃破され、ジリ貧のまま消滅していったわけです。

 

同じことを旧日本軍がやっています。北、中国、南洋といたずらに戦域を広げ、

ガダルカナルなどで顕著ですが、勝てない場所にピストン輸送で減った分の人員を投じて

大敗北を喫したのです。日本は厳しい状態からスタートしましたが、

そこまで不利ともいえなかった大企業ですら、戦線を広げて失敗するのです。

 

みなさんの会社も、強い商品に注力するか、強い地域に注力するか、その他の強みを見つけて、

徹底的に戦域を絞り込み、ナンバーワンになるところからやりなおすほうが有利に戦える

可能性が高いのです。

 

ついつい恐ろしくなって、リスク回避のためだとあれこれ商品を揃えたり、移動時間ばかり

かかるような営業範囲を維持したりしてしまいがちですが、間延びした戦線で戦うのはリスク回避

ではなく、利他行為です。リスクを回避したいなら、グッとこらえて、ギュッと絞り込み、

同じ範囲に新製品や別事業を投入することです。わざわざ利益にならない戦線を維持する必要は

ありません。

 

ここで一般的な企業の1営業マンあたり生み出さなければならない、1時間あたりの利益額について

お話しておきます。営業マンには、利益を生まない内勤の人間の経費や税金などの費用も

背負ってもらっているので、それらも加味するとだいたい5000〜1.5万円/時間が相場です。

 

この数字をみて、それでもいたずらな戦域拡大を望むでしょうか。取引先や顧客の家まで往復し、

1時間かかったら1万円どこかで余計に稼がなければならないことになります。これは相当に

厳しい数字です。それが営業マン10人で、毎日起こったら? 勤務日数が200日だったとして、

年間2000万円が吹き飛んでいることになるわけです。1時間ならかわいいものです。

営業マンの移動時間は仕事全体の3〜4割などといわれますから、4時間として8000万円。

ポイントは、これらは丸々利益になるお金だということです。それを手放している。

年商10億円の会社なので、8000万なら1割足らずだな……ではなく、年商10億の会社でも

会社の手元に残る利益は数%のはずですから、計算のしやすさ多めにみて仮に8000万だったとしても、

利益は倍になるわけです。数%や数十%の増益どころじゃありません。倍ないし数倍です。

これで、業種としても、距離としても手広くやることがいかに損かおわかりいただけたと思います。

 

経営の8割はお客さまづくりだと証明されている

 

営業マンと現場のケンカはよく目や耳にしますが、大きな声でわざわざいうこともないので

伏せられておりますけれども、経営の世界で見ればお客さんをとってくることが商売のほぼすべてで、

製品の性能はどこもそこまで変わらないという現実があります。

現場の人間が他社の何割も優秀で、独創的で……ということは基本的にありません。

デザイナーなどの世界でなら起こりうることですが、それは近視眼的な分析で、マクロに見れば、

独創的なデザイナーであるがゆえに嫌われ、選ばれないこともあるので、

他社を圧倒して優秀、ということはほぼないのです。

 

結果、経営の8割はお客さまづくりであって、その95%が社長の責任に帰すとされています。

社員が20名以下の中小企業の場合、会社の利益の8割ちかくは社長の力で出ているはずです。

つまり、社長の顔こそすべてです。にも関わらず、社長が営業を面倒臭がったり、

その手法を部下にコピー&ペーストしてやらなかったりすると、会社の成長は止まります。

 

従業員が100人以下の会社は、基本的に社長が一番の営業マンのはずです。

社長より優秀な営業マンは、不安定な会社で薄給でいるより独立して稼ぐ道を選ぶからです。

そのナンバーワン営業マンの方法をコピー&ペーストするだけで、営業力の大幅な底上げが

見込めるのに、多くの会社は勉強会やマニュアルづくりを行いません。面倒だからです。

やればできることをやらない、ナンバーワンになろうと決めないから、なれない。

先ほども出てきましたが、そういうことなんです。シェアトップの企業はまず間違いなく

こういった仕組みを持っています。持っているから顧客の離脱率が低く、営業経費がかからず、

社員を大量に抱えていても、または入れ替わりが激しくても、すぐに実践投入できるのです。

 

まとめ

 

長くなりましたが、本章のまとめは以下のとおりになります。

  • どの商品で戦うかを決める
  • どこで戦うかを決める
  • 誰と戦うかを決める
  • 社員をコピー&ペーストで育てると決める
  • マニュアルを作成することを決める

 

これだけで業界の上位2割に入れます。あらゆる世界でほぼそうなっていて、

なぜそうなるかは「人間の特性による」としか申せません。経験則という曖昧な存在ですが、

このようなブログという世界でさえ2000字以上のコンテンツを提供すると上位5割、

3000〜4000字で2割に入れます。さらに、このような長文コンテンツ毎日更新する人は稀で、

彼らは決まって業界最大手になっています。

 

そんな最大手ブログを読んでいればわかりますが、確かに視座に優れ、機知に富んではおりますが、

特段物珍しいことを書いているわけではありません。

でも、愚直に、どこかで聞いたようなことを一生懸命こなすだけで、最上位にいるわけです。

あたりまえを徹底することが人間にはほぼ不可能といっていいほど難しいのです。

社長自身が徹底できていなければ、社員にできるはずがありません。

「凡事徹底」を胸に、やらなければならないことに追われて終わるのではなく、

やるべきことを直視してナンバーワンをめざしていただければと存じます。

 

今日もいっちょかみ!をお読みいただきまことにありがとうございます。

甲子園の季節です。凡事徹底は前橋育英高校の掲げるテーマです。

あたりまえを積み重ねるなかで、監督もまったく怒らないのだとか。

怒っていいことなんてない、というあたりまえを積み重ねる、これもまた大変に難しいことです。

 

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