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飲食店経営「失敗するための」5つの方策

カレーのような組織づくり

こうすれば誰でもカンタンに「失敗」できます

 

 

この記事は2009年ごろに書いたレポートを元にしていますが、10年経っても大きな変化はないと思いますのでこのまま掲載しておきます。飲食店で失敗する人の典型的なパターンは上記のとおりです。

お金の管理と見通しが甘い

特にひとつめ。大人気店になったのに、倒産ということがあったりするんです。飲食店って日銭が入ってくるので資金ショートしにくいように思えますが、メディアなどに取り上げられて、一気に人や設備、仕入れを増やした結果、潮が引きはじめたタイミングにあわせて資金ショートということがあるようなんですね。

そもそも借金が大嫌いで、持ち金だけで開業しようとする人も多いのですが、この場合、人気店になれなかったら……普通店でも資金の枯渇でサヨナラということがあり得ます。500万円、1000万円と借り入れても、資金の管理や見通し、撤退のラインを決めていないようなかただと、先々とても苦労なさるのではないかと存じます。少なくとも半年間、収入がゼロでも平気な試算はしておいたほうがいいでしょうね。

 

お客様本意ではなく自分本位のこだわりが強い

誰も求めていないものは、どんなにがんばっても売れません。誰も求めていなさそうなものでも、需要をつくることはできるのですが、それはお客さま自身が欲しいことに気づいてない場合に限ります。世の中にチーズバーガーというものがない世界で、みんながハンバーガーで満足しているなか、「チーズバーガーってものを開発したんだ。これ美味しいから食べてみてよ」というのは、この世界にまだないものを作り出し、気づいていないニーズに応えたといえますが、すでに世界にありふれたもの、ここでいうハンバーガーを売って勝負しようとするならば、よほど徹底したお客さまの調査が必要です。

ただ、飲食店をやりたい! というかたは、自分の料理人としてのこだわりが強いでしょうから、自分がつくりたいハンバーガーをつくって、あとは客がくるまで待つ。価値がわかる人だけくればいい、というスタンスになりがちです。確かにそのような形で成功している一流店もありますが、完全に無名ではじめる以上、この方策は廃業への特急券だと思われます。はじめのうちほど、自分を曲げてでもお客さまのニーズに応える覚悟が必要なのではないでしょうか。

また、「この料理を作りたいから」という理由で開業する人も多いですね。近所に人気の同一料理店があったり、人気店ではないにせよ商圏に複数あったりする場合、共倒れの危険があります。「これをしたい」は結局のところ自分本位のこだわりです。ピザを焼くのはカンタンだからピザ屋さんをやりたいといってはじめたりすると、誰もがカンタンにピザを焼けるから参入障壁も低くてあっという間に過当競争なんてこともあり得ます。こだわりかたを柔軟に変えられたほうがいいですね。

 

周辺の事情を調べない

出店場所を決める際、人通りしか見ない人がいます。これは危険です。たとえ人通りが多くても、通勤通学のために通るだけの場所だったり、ファミリー層が多いからテーブル席がないと使いにくかったり、地方だと駐車場が必須だったり。また、人通りが多いということはライバルも多いはずです。周辺地域、同一商圏内にライバルがどれくらいいるか調べるということもせずに開業しようとする人があとを絶ちません。自分が参戦すれば圧勝するから調べる必要なんてない、というスタンスでも構いませんが、リスクは何倍にも跳ね上がると思ったほうがいいですね。裏通りの20m先に立ち食いそば屋があるのにそば屋をはじめて、1年保たずに撤退、なんてこともあるんです。

 

努力や勉強が嫌いで嫌いでたまらない

いかにして楽をするか。それを考えること自体は効率化ですからいいことです。しかし、手を抜いて、どこまで客が我慢するかを実験的に眺めているのは「違う」でしょう。学生時代から勉強が嫌いな人は飲食店でも厳しいですね。どの職種でもそうでしょうが、やらなくてもいいけど、勉強や努力をして知識や技術を自発的に身につけていく人が勝ち残ることが多いです。いわれたことだけやっておけばいいというのではダメで、自分から学んでいく必要があるでしょう。

これを読んでギョッとした人は、本当に要注意です。一国一城の主は生半可では務まらないようです。

 

不潔な印象が強い

飲食店を潰している人の多くは、一般的な料理人より不潔な人が多いです。汚い店や店主がだらしない店などがメディアで取り上げられて、「なんでこんな店なのに経営できてるんだ!」といった扱いを受けたりしていますが、あれって生き残っているのが奇跡だからなんですよ。あの後ろには途轍もない数の店が閉店に追い込まれているわけです。あと、汚いお店に二度と行かないという人は6割強ともいわれ、ファミリー層の場合は家族の中の1人でも拒否反応を示したら二度ときてくれませんから、お店は綺麗なほうがいいでしょう。

また、店主も不潔なのはNGです。街に出て、一般的な人を見て、自分が不潔な部分がないだろうか比較してみましょう。爪や髪、服などに無頓着ではないですか? 料理を提供するというのはアルバイトにもできる仕事という側面もあります。ですから、誰でもできるようななかで、お客様に選んでいただける工夫、気づき、配慮ができないといけません。着ているズボンが擦り切れている、靴のカカトがペシャンコだ、スーツの肩にフケが溜まってる……。そんな状態ではとてもじゃないですが勝負はできません。

飲食店は参入障壁が低い業態だといわれます。カンタンにはじめられるから、カンタンに儲かるわけではないのです。まずは自分の立ち居振る舞いから見直してみませんか?

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