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徳島の電話ボックス #0001

徳島銀行のトモニプラザそばにある電話ボックス。いいですよね。

電話ボックス、愛

 

いきなり何をいいだすかと思われるでしょうが、電話ボックス、特に夜の電話ボックスが好きなんです。

携帯の登場で、おそらくは順次消えていくことになるであろう電話ボックス。

終わった存在になっていくのか電話ボックス。

そんな電話ボックスに哀愁を感じたり、街の中でも異質な存在であることに興奮といいますか、まだ言葉になっていない感動を覚えるわけです。というわけで、来年の目標にするつもりの「好きなものを好きという」という抱負に先駆けて、「人がいない街の電話ボックスが好き」という偏執的な愛情を公開していこうと思う次第です。

また、みなさんの好きな電話ボックスの話も聞かせてください。楽しみにしております。

 

とくぎんトモニプラザ前電話ボックスのはなし

 

周囲は市役所や裁判所、警察署に税務署などがあって深夜帯は静かになるのですが、一本先には徳島県の大動脈である国道55号線が走り、深夜でもまばらに人がやってくる場所ではあります。徳島城公園のそばであることから、深夜や早朝ランナーの姿も見かけます。そんななか、ぽつねんと立っているこのボックス。

 

いつ見てもオレンジ色の街灯に照らされて、いつも艶めかしく、静かに不気味です。

冷たいコンクリートの役所や銀行施設と、城を囲んだ公園の木々と、深夜にも関わらず明々と照らされる路上の不釣り合い。そしてそこに誰もいないという、ぬるっとした感覚。すべてが絶妙に恐怖としてまとわりついてくるのです。

このあたりでは特にお気に入りのボックスです。

 

余談と参考図書

 

路上観察は、路上が生まれたときにできたと私は考えております。つまり、「敷地と家と道」では足りず、都市が生まれ、経済的に集約された結果、公的に道がつけられてはじめて、路上になる。

 

ちょっとややこしかったですね。簡単にいうと、街ができた近代以降にならないと路上は生まれず、せいぜい生活用道路や街道止まりなんです。東京なら明治前後、地方ならもっと遅れて昭和前後。戦争で焼けてしまえば一新されたり、成立が遅れたりもしたでしょう。そもそも、風景が発見されたのが明治時代ですから、路上が発見されたのはそれよりも後のはずです。これからおもしろい分野だと思うのですが、それを取りまとめる前に電話ボックスも郵便ポスト(こちらも好きなんです)も消えようとしているのは悲しい限り。

 

というわけで、なくなってしまう前にささやかな抵抗を行おうと思っているわけです。

 

考現学入門 (ちくま文庫)

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  • 作者:今 和次郎
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日: 1987-01-01

 

路上観察学入門 (ちくま文庫)

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  • 作者:赤瀬川 原平
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日: 1993-12-01
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