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地図の地図のページ

「地図の地図」は地理学マニアのノスタルジーです

 

これから地図は失われていくから、保存する

 

街を行けば、みんな手に持った黒い板を指で弾いて行き先を決めています。むろん、私もやります。10年ほど前は国土地理院の地図をビニールでパッキングし、日本の街や離島、山野を駆けた私。紙の地図を愛して専門店に入り浸っていたのに、むしろ一番先にスマホやウェブで地図を見るようになったクチです。iPhone3とか買ったりして。まだ誰も指で弾いてなかったので、散々周囲にバカにされましたね。これはこれでノスタルジー、懐かしい。

 

いまこうして社会を見ていると、地図って、きっと消えていくんでしょうね。

少なくとも紙の地図はコスト面と更新の難しさから、保存の意味以外では価値がなくなっちゃうでしょう。悲しいかな、利便はすべてを駆逐するのです。そうして人間は進歩してきたので仕方のないことですし、むしろよろこばないといけないのかもしれません。

 

これからは拡張現実のARで表示するとか、最悪スマホのカメラでQRコードで読ませてウェブの地図をダウンロードさせればOKとかになっていくでしょう。いまやスマホのカメラを起動しただけで、撮影範囲内にQRコードがあると教えてくれますから。意図してカメラを向けなくてもいいんです。便利になりましたよね。

 

でも、やっぱりどこか悲しい。それに紙の地図はまだ保存という意味がありますが、保存の意味をほとんど持たない地図はどうなっていくんでしょう? たとえば街にある様々な地図。街区図や案内図です。これらは紙よりもっともっと急速に消えていくと思うんです。街の一風景だった商工会議所などが出す地図、商店街のテナント図、通学路マップや駐車場や駅への案内図なんていうものもが、普段は気づかないけれどありますよね。

 

これらは誰かがデザインしているから、そこにあるんです。当たり前ですけど。

 

地図が「個別の誰か」のデザインから離れて画一化、効率化されていくと、地図のなかに混ぜ込まれた意外性や人間味、いわゆる主題図やメンタルマップ的なもの、読みにくい作図、下手な文字、間違ってんじゃねえか!といったものはなくなり、平板で誰もが理解できるようなデザインになります。でも、その反動として「そんなものまで地図に入れてるのか!」という驚きや関心、一部の人に「刺さる」ような工夫もなくなっちゃうと思うんです。

 

これって、やっぱりもったいない。もったいないので、保存します。

私、捨てられないマキシマリストなんです。

というわけで、まずは身近なところからはじめてみました。

近所の地図集めです。

 

「地図の地図」は地理学マニアの街区図好きがアーカイブ的に地図を集めるページです。みなさんもこんな地図あったよ!というものがあれば教えてください。洗練されたものでもいいですし、画一的で利便性重視ではない人間らしい地図、革新的な地図、いろいろ見ながらアレコレ考えたり語ったりしたいんです。もちろん、路線図や駅構内図、ビルやホテルの部屋案内図(垂直方向の地図って興奮しませんか?)のような、新しい、比較的公的な地図も大歓迎です。

 

仮に街から地図が消えたとしても、「昔、街には地図がたくさんあってな」と伝承として語ることができればおもしろいですよね。

では、さっそくですけど社会と地図の変化を保存するページ、

「地図の地図」はじまります。

 

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