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本を読む時間がないのは、本を読んでいないからだったりする

 

どんなに精読したところで無意味

 

ここまで相当量読むしかないという話をしてきたのですが、実のところ私は速読反対派です。かつては仕事ということもあり、日に3、4冊ということもありましたから遅くはないのでしょうが、速いことが偉いことだなんてこれっぽっちも思いません。速読術スクールというものもあるようですが、そこでどんなに速く読む技術を磨いたところで量をこなして自分の頭で考え、積層化した体験や知識に反映されなければ読書の価値はないに等しいとすら思っています。一方で、ただゆっくり精密に読めばいいとも思いません。学校の先生は「精読しなさい」というのでしょうが、それはそれで違うと感じているのです。

 

なぜ違うのか。ゆっくり、丹念に、時間をかけて読んだところで、その人間に引っかかる毛羽立ち、フックのようなものがなければ、これまたなんの価値も生まないからです。同じ内容を読んでも5才の子どもと60才の大人が抱く感想が違うように、人もそれぞれ感想は違う。引っかかる場所も違います。10年前に読んだ本を改めて開くと、まったく異なる味わいを感じることがあるように、その時点において自分が感じ取れるもの以上の価値は、どんなに時間をかけて読んでも受け取ることはできないのです。もちろん、1冊の本に200時間、300時間とかければ違ってくるのかもしれませんが、そんなことをするくらいならもっとほかの経験をしたり、違う本を読むことで別の角度から本の価値を照らしたり、情報や価値を受け取る自分自身の引っかかりを増やすほうが懸命です。

 

時間をかけて精読しろというのは、手抜きをするな、授業中寝るなという程度の意味であって、丹念に読み進めることが絶対に正しいという意味ではないのです。

 

 

本を読む時間がないのは、本を読んでいないから

 

人はなぜ本を読むのか。気晴らしということもあるでしょうが、ビジネス書の場合はそうではありませんよね。お金を稼ぎたいという目的があります。もちろん、気晴らしで小説やエッセイを読むにしても、気分を晴らさないと総合的に損だからという合理的な目的があるといえるかもしれません。いずれにしても、本を読むことで得をしたいわけです。得をするというのは金銭的意味ではありません。むしろ金銭的な得というのは表面的なもので、本当の得というものは時間的な得、時間の節約にあるのです。どうしてそういえるかですが、仮にたくさんお金を稼ぐという金銭的部分に注目しても、本来ならそれだけ稼ぐのに何万時間、場合によっては何度も生まれ変わらなければならないほどの時間を節約していると考えられるからです。気分的に腐ってしまって、いつまでもクサクサするという時間を節約するために気晴らしに本を読むという解釈の仕方もできるでしょう。

 

ということは、読書に使う時間は時間を消費のではなく、むしろ時短に役立っているとすら解せます。ここまではよろしいでしょうか。だとすると、ですよ? 「本を読め、読めといったって、読む時間がないんだよ」といっている人たちは根本的に間違っているということになりませんでしょうか。つまりは、本を読んで人生単位で時間を節約しないから、いつまでも忙しいし、本を読む時間もないのです。本を読む時間がないから、非効率的に生きているから儲からず、いつもストレスを溜めているのかもしれないのです。

 

逆説的な話ですが、けっして鶏が先か卵が先かという話ではありません。順序としては、本を読まないから、本を読む時間がないのです。読書が先、時間は後です。「読む時間がないから、読書をしない」では一生、読めないということです。実のところ、人生などというものは、ここに気づくかどうかなのかもしれません。そう考えれば、月に1万円以上本を買う人間が3%しかいないこともうなづけます。誰もが常識的に、時間が先、読書は後だと思い込んでいるからです。気づいてしまったなら、もう後戻りはできません。さあ、そんな呪縛からはやいとこオサラバしてしまいましょう。

 

 

 

まとめ

 

ある人は読書を投資としてみるならば、ときに投資額の10000%も稼ぎ出す金脈だといいました。もっとわかりやすく、本の代金の100倍返ってくる投資という人もいます。これを聞けば、よこしまな感情が湧いてきてなんとなくやる気が出たかもしれませんね。2000円の本を買えば20万円になる可能性を秘めているということですから。そこまでいかずとも2万円になる可能性はさらに大きいわけですよ。俄然、乗り気になったのではないでしょうか。

 

さて、ここで残念なお知らせがあります。年間数十万円は本の代金に投資している私。常時蔵書が3000冊を超える蔵書クラブ「三千世界」の人間である私は、貧乏暇なしです。年間50万円として、100倍になるなら年収は5000万円超でなければならないはずなんですが、おかしいですよね。ガッカリしましたか?

 

でも、私がお金持ちではないのは、お金を稼ぐ目的を持ってゴールに向かって本を読んでいないためですから、例外の異常値です。その点、心配いりません。ビジネス書を読んでいたと思ったら、歴史書や地形図を開き、ライトノベルや漫画を睨んでは脳科学や海外のボディメイクサプリメントの雑誌を取り寄せる……。字が書いてあればなんでもいいのです。ビジネス関連の本に飽きたら、その疲れをまったく違う本で癒すような無軌道者ですから、こんな人間は特殊です。みなさんが明確な目的を持って本を読めば、その努力はかなりの確率で、少なくともインフレで持っている資産が目減りしたり消費税の増税で相対的に価値が下がったりするのを補うくらいのプラスにはなるはずです。

 

もっとも、年に500、600冊と本を買えていること自体、収入がある証ですから、こんなノーフューチャーな読書をしている人間でも、本に投資した分はしっかり戻ってきているといえるのかもしれません。やっぱり読書は一番いい投資案件なんですよ。

 

 

 

 

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