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Amazonが自家用車を殺した|マイカーは本当に必要か?

マイカーと歴史、そしてこれから

自家用車はこれからも必要なままだろうか?

 

まず、大前提として、私は中途失明(片側弱視)者で、メガネで矯正しても視力が運転基準に満たないこと、眩しい光を見ると、頭痛や吐き気、意識が遠くなることがあることから、地方に住んで働きながらも車の運転を諦めた人間だということをご承知ください。

 

そのうえで、本当に車って必要だったのだろうかと、乗らなくなってから考えるようになったのです。

 

結論からいえば、もう自家用車はいらない。トレンドのシェアリングエコノミーがどうの、というのもありますけれど、これはトレンドというよりも、時代の大きな流れです。局所的な流行ではないように思います。大昔は、自分の体も、自分の荷物も、自力で運ぶしかありませんでした。それが高度に文明が発達していく過程で、郵便のようなサービスができた。飛脚が走ってくれたり、駕籠屋が担いでくれるんですね。それがさらに発展し、馬や車になって、運搬業、運送業が民主化されました。それが現在の「マイカー(自家用車)文化」です。

 

世の中は、特に地方においては、マイカーを持っている前提で話が進みます。でもそれは、戦後に形成されてきたものでしかなくって、せいぜい数代前からの歴史、文化でしかありません。それ以前は、マイカー前提で仕事や生活の話をされても、ごく一部の大金持ち以外はどうにもならなかったんです。でも、高度経済成長期以降、車の民主化が起きて、業者以外も車を持つのが当たり前になりました。ところが、近年、こうした動きも陰りが見えてきているんですね。

 

Amazonがマイカーを殺した

 

突拍子もないことのように思えますが、関連性はとても高いのです。なぜなら、通販事業者が登場、浸透し、乱立するなかで、物品の流通が大きく変化しました。ウインドウショッピングのように欲しいものを無理して探しに行くのでもない限り、買い物はワンタッチ、家から出なくて済むようになったのです。すると、マイカーの必要性は大きく減じます。休日ドライバーは、なんのために持っているのかわからなくなる。また、これに伴う流通の効率化やネットショップの増加、コンビニの普及、公共交通機関の利便性向上など、様々な副次的効果もあいまって、マイカーが移動手段でも、運搬手段でもなくなってきたのです。

 

以前は車があれば便利なのになぁと思われていたから、車の民主化が起き、マイカーが普及しました。しかし、今度は車を持っていても別に便利じゃないなあと思うようになってきたから、マイカー離れが起こりだした。これは時代の流れです。我々が望むように社会は企業などによって変化させられ、変化のとおりに時代の奔流は流れますから、止めるのは困難です。車の魅力を高めるだとか、省エネにするという問題ではありません。必要だから普及したものは、不要になれば消えていくのです。30年ほど前までは年賀状といえば自宅で「プリントゴッコ」でこしらえていましたが、いまどきプリントゴッコが家庭にある人がどれくらいいるでしょうか。メールが出てくれば年賀状自体要らないと思う人が増えるわけで、世間全体の効率化という「共通の願い」に対して、どんなに説得を試みても、その流れは止めようもないのです。

 

Amazonの便利さ、ネットショップのありがたさたるや……。Amazonの理念のひとつに、「顧客は安いものを求める」というものがあるそうですが、これも共通の願いです。どこで買っても同じなら、安いものがいい。仮に少々高くても、買いに行く手間を考えればネットでいい。こうして出かけることなくものを買うことから後戻りするのはできなくなっていくのですね。

 

車の奴隷になるために働くの?

 

買い物に行くのにマイカーに乗ればタダだと思っていらっしゃる方も多いのですが、当然、そんなことはありません。ガソリン代はもちろん、タイヤが減れば交換費用、乗っても乗らなくてもかかる税金、車検費用、そして車を買ったことによって発生している代金・ローン・金利……。まだまだあります。自動車保険も重い負担ですし、運転する手間は時給換算すると結構なものです。運転が趣味ならいいのですが、それだとしても結構な額です。なぜなら時間は買えないからです。意識が高すぎると笑われるかもしれませんが、運転中になにもできない拘束時間は、二度と戻ってくることのないものです。寿命はお金に変えられないのですから、いかに運転が好きでも、無視していいコストではないのです。

 

こんなふうに考えていると、毎日の近距離の通勤にタクシーを使ったとしても、5年で乗り換える場合は収支的にトントンで、ファミリーカーの大型ワゴン車のようなものを選ばれる場合はお得なことすらあります。家族で一台ならまだましで、ひとりひとりに買っている場合、それはもう大赤字は確定です。出勤する方向が同じなら、タクシーで一緒に行けばいいのです。公共交通機関があるならそちらを使ってみてください。試しに計算すればわかりますが、はるかに安くなります。

 

車一台につき、上記の諸々から運転の時給を差し引いたものが、20〜50万円/年です。この時点で定期券買ったほうが安いと気づかれる人もいるはずです。車を使うより公共交通機関を利用するほうが安いだけでなく、そもそも会社の近くに引っ越したほうが安いということだって起こるはずです。意外な盲点かもしれませんが、年に30万、50万とかかっているなら、家賃が1〜2万円高くなっても、職場の近くに済むほうが経済的にも時間的にもお得なわけです。さらに、家族が複数人いて、それぞれに1台ずつ持っている場合には、100万円、150万円/年と積み上がっていく。

 

これじゃあ、車の奴隷じゃないですか。

 

仕事が苦しい、つらい……というのはわかりますが、会社が社畜としていじめているように見えて、実際は車の費用を払うために生きているだけ、ということになってはいませんか? 車は売るだけで終わらない、継続課金のキャッシュマシーンです。そのことをすっかり忘れてしまっている人が、どうにも多いように思うのです。

 

これからの時代、車は自動化され、配車アプリで呼び出すだけになるようです。5年か、10年か。それで、いま、無理をして5年ローンのマイカーを買うべきなんでしょうか。車が好きでたまらないなら、それは構いません。あなたの人生を潤すのに必要なら仕方のない出費です。でも、そうでないなら。考え直す時期にきているように思います。

 

自動運転車が一般化したら、手動運転車に重税がかけられたり、非効率な運転をする奴として糾弾されたり、妙な運転をしていたらドライブレコーダーで撮影されるでしょうし、保険会社は超高額の保険料をふっかけてきそうですよね。なんか、リスクが多いなあ、と。

 

私もドライブが好きでしたが、楽しくなくなってきちゃったんですよね。時代の変化が見えてきて。お財布的にも、心理的にも不要なら、手放しちゃっていいかな、と思った次第です。

 

最近問題になっている高齢ドライバーさんにも、こうした視点で物事をみてもらえればなぁ、と思うわけです。

 

蛇足

 

徳島県阿南市ではじめるゲーマー向けシェアハウスですが、こちらにはシェアカーをつけようかと検討中です。住む場所という必須のものをシェアするのに、9割稼働していない車をシェアしないのは妙な話だな、ということで。

 

UターンやIターンなどで車を買うのが嫌だな〜って方に、便利に使ってもらえればと思います。

 

【シェアハウスの詳細は以下からどうぞ】

兼業プロゲーマー育成シェアハウスプロジェクト

 

 

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