飛行機型の船とインフラのはなし
地面効果を使って空を飛ぶ船がある
地面効果翼機という未完の大器
実用化にこぎつけているのはロシアくらいかと思いますが、地面効果翼機というものがあります。地面効果とは、ざっくりいえば、翼の長さの半分以下の高度で飛ぶと揚力がすこぶる得やすくなり、小さな機体で大容量積載、省エネで飛行機を飛ばせるというものです。
ただし、主翼の長さの半分以下ですから、高度は高くて数メートル。となると、地面がデコボコしている場所は当然飛べませんし、海が酷く荒れては飛べません。地上だと不時着するのも難しく、なにより飛び立つときに穏やかな水面でなければならないので、カスピ海大きな湖のような場所くらいしか使えないんですね。
同様の研究は第二次大戦のころからありまして、いま日本で行われているのは空飛ぶ船ではなく、空飛ぶ車のほうの研究です。この効果を使って地中のトンネルの中を飛行機を飛ばそうですとか、高速道路を専用の形状にして空を飛ぼうというのです。これなら地形に影響されにくく、効率的に移動や輸送ができそうです。
スーパー堤防の内側に
水上飛行タイプの地面効果翼機は離着陸が大変です。確かに空港は要りませんが、波に揺られては上手く飛び立つこともできません。そこで、スーパー堤防の内側に専用滑走路としての水路をつくり、港湾と一体化して……という計画を持っています。これなら橋をかけるより短期間に、かつ高潮や津波対策も兼ねられます。もちろん、景観的に、ということはありますけれども、徳島と和歌山間や、宇和島と宮崎間など、橋があればいいんだけどいまさらなあ、という場所を結べば、高速輸送が可能やもしれません。
(もっとも、高速艇の運行すらなされていないところをみるに、不要なのかもしれませんが)
いずれにせよ、次世代の効率的な公共交通の開発は必須のことと存じます。
革新的でわくわくする輸送方法が確立されるといいですね。
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