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家を建てるなら正方形の方がいいかもしれない

正方形の家は耐震性が高いだけじゃない

 

家を建てるとき、耐震性を考えると正方形のほうがいい。そんな話をよく聞きます。ただ、正方形の間取りというのは使いにくかったりしますし、サイコロのような外観は安っぽしくてイヤだといわれることもあります。でも、正方形はですね、安っぽしいのではなく、安いんですよね。できることなら正方形に建てた方がいいのになと前々から思ってはいるんです。デザイン性に難はあるので、美的感覚としては納得できないのですが……。

 

正方形の家がお安くなるかもしれない理由

ご覧のとおりです。1辺8mの正方形の家と、長辺16mと短辺4mの長方形の家の例で比べてみました。面積は同じ64平方メートルですが、外周の長さは正方形が32m、長方形が40mと8m長くなります。つまり、それだけ外気に触れている部分が大きいですし、外壁や内装の広さも広い。イニシャルコストはもちろん、光熱費といったランニングコスト的にも長方形の家は損なんですよ。約3割増で外周が長ければ、それだけ暑さ寒さの影響を受けやすく、長ければ窓や扉の数も増えるでしょうから、一番熱の出入りが起こる開口部の増加で温熱環境の悪化に拍車がかかります。

 

私はあまり体が丈夫ではないので、冬の寒さには敏感です。そこで極寒の地域、アラスカやロシアの人たちがどうやって暮らしているかを調べたら、正方形の家というのが割とあるということがわかったんです。なぜだろうか、セントラル暖房で、家の中心に暖炉があって、煙突があって……だからかなあ? とも思いましたが、実は「外周の長さ」に秘密があったんですね。

 

正方形の家がいいというのは、底辺が正方形がいい、というだけではありません。家は立体なのですから、正方形の立体、立方体の家が一番無駄がないということになります。つまり、かっちょ悪いかもしれませんが、サイコロのような家に切妻屋根か片流れ屋根(という屋根の形)が一番だということです。建築物の法律と制限を含めて考えると、オーソドックスなものとしては、一辺6〜8mの立方体の家(総二階建)が一番空間を無駄にしないということです。

 

ローコストを売りにしている会社は大抵サイコロ住宅を建てますが、そこにはこういう理由もあったんです。もっとも、コストダウンにばかり目を向けて、ロクな断熱や機密性の保持、部材の品質を落とすようなことをしていては、暑いし寒いし、暮らしにくいということになります。また、1辺8mの家となると間口を含めて正方形の土地が必要になるわけでして、どんなに無駄がなくっても、そんな綺麗な形の土地は高いじゃん! という話になっちゃいますから、その辺は建設会社と真剣に話し合ってもらえればと思います。土地の話なのに建設会社と話し合うのかって? そりゃそうです。土地を買うより前から建設会社と話しておいたほうがいいですよ。土地の形は変えられませんが、家の形は変えられるんですから。スタートラインから二人三脚でやるほうが、双方に手間がかからずいいんです。少なくとも設計会社に図面を引いてもらって、図面代を払ってから土地探しなんてやっちゃダメですよ。この順番をお間違えなきよう。

 

 

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