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人間は、早とちり

人間は早とちりするし、自信過剰でもある



【問1】
ここにボールとバットがあります。あわせて11000円です。バットはボールより1万円高いです。さて、ボールの値段はいくらでしょう。

【問2】
ある池をハスの葉が覆っています。ハスの葉は1日に2倍ずつ増えていきます。この池をすべて覆うのに、36日かかりました。ハスの葉が池の半分を覆ったのは何日目ですか。

【問3】
5台機械を使うと、5つの歯車を5分で製造できます。100台の機械を使用し、100個の歯車を製造する場合の時間を求めなさい。

以上、3つの簡単な算数の問題を出しました。ぜひ答えてみてください。この問題、世界の一流大学生が全問正答する率は2割だといいます。算数、なのにです。

大学生をバカにしたいわけではありません。最近の若い奴らはバカになったなどと、それこそ「バカ」なことを述べたいわけではないのです。なにがいいたいかというと、もう表題になっている通り、人間は早とちりで自信過剰な生き物だということなんです。

この問題が解けなかった人も、解かなかった人も、どちらにしても自信過剰です。解くまでもない、そんなのはわかってる。だとか、本気を出してなかったし、たまたま間違っただけだ。などと言い訳するのが常です。なので、前もって退路を絶って差し上げました。意地が悪いですね。ええ、よくいわれます。



問題の答え



1問目は「500円」が正解です。バットが1万円高いと聞いて、バットが1万円、ボールが1000円だと考えたんじゃないですか? それだと、差額が9000円になりますよね。バットは1万500円、ボールが500円じゃないと成立しないんですね。

2問目は「35日目」です。こんな指数関数的な問題、解けないわ。と投げ出してしまった方、36日の半分だから18日目だろうと思われた方もいらっしゃるでしょう。ハスは1日で倍に増えるのですから、全面を覆う前日は半分覆っているはずなので、36-1日目でいいわけです。

3問目は5つの機械を使えば5分で5つと書いてあるのに、なぜか割り算なんかをして、「これは何台に増えても同じという引っ掛け問題だ。1分だ」などといいだしたり、ついつい20倍して100分と答えてしまいがちなんですが、答えはもちろん、5分です。簡単だから「抜かる」人と、難しく考えすぎてしまう人が多く出る問題です。

このように、一見して簡単に解けてしまいそうな問題ほど、落とし穴があります。「あなたは賢い方ですか?」と問えば、多くの人が「賢くはないけど、平均くらいはある」と答え(じゃあ、賢くない人はどこにいるのでしょう)、「あなたは運転が上手いですか?」と問われれば「平均以上の腕は持ってる」と誰もが答えます。

人間は、脊髄反射的に生きるものなので、知ってる、わかってる、というものに対して、頭を働かせないで回答しがちです。インターンを終えたばかりの新米医師より、ベテランの医師の執刀技術の方が総じてレベルが低かったりするのもこのせいです。慣れがすべての質を下げていくのです。問題が起こらなければ起こらないほど、自信を強め、過信になって、「これくらい手を抜いても大丈夫だろう」が伸長されていくんですね。これはなかなか恐ろしいことです。

自身、戒めにしないといけないと思います。今回の問題、たまたま解けましたが、「待てよ……?」と1問目で疑うカンが働かなければ、間違いなく1万円と答えていたはずですから。

落とし穴は見えないものです。落とし穴に見えないものこそ、落とし穴です。胸に刻んでおかなければなりませんね。

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