1. HOME
  2. ブログ
  3. 街おこしでB級グルメは可能か?

街おこしでB級グルメは可能か?

なんでA級グルメを目指しちゃダメなの?

 

私が知っている社長さんは札幌の味噌ラーメンが食べたくなったら、仕事を午前中に片付けて、日帰りで食べに行きます。「そりゃ、それだけお金と余裕があるからできるんだ」というのは事実ですが、お金と余裕があれば行きたくなるほどの魅力があるのも事実だと思いませんか?

 

B級グルメにその魅力はあるか。ということなんです。B級グルメをつくろうという企画が持ち上がるということは、どこか気が抜けていると思うんですよ。ブーム後に雨後の筍のように出てきたゆるキャラのように、「ああ、あんなもんでいいのか」と思ってつくられてはいないでしょうか? ということです。厳しい言い方ですが、適当な感じで適当に企画を出し、とりあえずでB級グルメをこしらえると、いいとこC級グルメや、ゆるゆるキャラみたいなものになっちゃうんですよ。

 

本気でやって、みんなが全力でやって、それでもなお、結果としてB級だったというのがB級グルメランキングの上位にいませんか? それらは少なくとも誰かひとりが人生を賭けるほどの本気だったからこそ、地域に根ざして熱烈に支持されているご当地料理となっていったのではないですか? 高級レストランや料亭の懐石には出せないからB級なのであって、そもそも気迫や企画、味も含めてB級なんじゃないんです。カテゴリーがA級と違うだけで、料理としての程度が低いからB級なんじゃないんですよ。

 

私はいつも思うんです。街おこしというと、どこもこぞってB級品をやりたがります。どうしてA級をめざさないのかって。めざせないと思っているのは、覚悟の問題じゃないのかと。冒頭にも書きましたが、本当に魅力があれば味噌ラーメン一杯に、東京ー札幌間を往復してくれるんですよ。A級めざしてないとB級にもなれないんです。地方が目指すA級は、つまり最高の地域の食材と、可能な限り最高の腕で提供するということです。B級グルメブームだから、なんかそれっぽい低俗な料理を売りにしてみよう。簡単だし! なんて、ハナっからゴールが間違ってないのかなあ、と。

簡単にできることは、適当にマネされます。マネされちゃったらそれまでです。

B級のつもりのC級グルメたち、全員一緒に埋もれていくだけです。

 

半端をやるくらいなら、この店の、この料理長のコースのために東京からきました、大阪からきました。そんなふうにいってもらえるものが作れないか、と考えてみて欲しいんですね。

難しいのは重々承知です。難しいからこそ、突き抜けられるのです。難しいからこそ、マネされないんです。

すぐにはじめられることは、すぐにマネされることです。

私自身、肝に銘じているところです。

 

じゃあどうするんだよ!という蛇足

 

地方のいいところは特殊な食材と鮮度、卸しを通さない直接取引で希望のものが手に入りやすいという面のほか、単純に家賃が安いんですよね。固定費が低いとき、超高級料理店で粗利がすごいところは大助かりなわけです。ちゃんとお客さんが入れば、日に2〜3組でも十分ということもあるかもしれません。六本木の高層ビルから夜景を見ることがステータスというようなシチュエーションでは使えませんが、田舎で美味しい食材を、田舎に似つかわしくない(?)すこぶる一流の腕で味わう。そういうA級グルメの活路もあるのではないかと思うのです。

 

数万円のコース料理を味わうことが苦ではない人なら、大阪や他地域から2〜3時間かけて足を伸ばすことも可能でしょう。旅費だって大したことありませんし、交通費を考えても食べたいと思わせるような魅力づくりはできないか? という発想を持ってみることです。全国に中華街というものがありますが、横浜も長崎も、相当高くてもわざわざ食べに行くじゃないですか。ああいう魅力づくりを地域でできないだろうか? と考えるわけです。

 

できないということにして、考えないのは簡単でいいんですけどね、私もそっちのほうがラクですが、それじゃダメなんですよね。差別化だ競争だという話じゃなくて、単におもしろくないでしょって話です。なんでも機械が代行する時代に、頭を使わず手を抜いて生きるだなんて、なんのために生きてんのかわかんなくなっちゃうじゃないですか。

 

 

 

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事

調べものですか?

最新記事

おすすめ記事

特集記事

About Author