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広告の反応率を計算するとどうして会社は傾くのか

経営で率を追いかけてはダメ

反応率で見るのは広告の成否だけ

 

多くの社長が犯しているミスなんですけど、なんでも率で考えるんですよね。理系思考の強い人ほど、率で考えがちです。はっきりいって、率なんてどうでもいいんです。経営上必要な数字はただひとつ。「額」でしょう? ですよね? なのに、わざわざ率を計算してまで算出する。無駄をカマしたうえに、さらに墓穴を掘るなんて、どこまで気前がいいのでしょう。

 

悪態はここまでにしまして、広告デザイナー兼コンサルタントとして一言。私も「広告の反応率を計測してください」といいます。でも、その真意は全然違うところにあるんです。反応率は、その広告がいい広告かどうかを調べるために測定します。測定してわかることは、広告の内容がよかったかどうかと、タイミング(時期)、客層などです。ただし、内容がよかったかどうかを調べるには、広告をA案とB案つくって同条件で配布する必要があるので、実際にはかなりの部分が推測以上の当てずっぽうになりますが。

 

反応率が悪いからといって悩んだり、怒ったりする社長は根本的な間違いを犯しています。

発行部数5万部の女性誌に広告を打って、50件の反応。反応率0.1%。なんだこれは!!

なんでしょうか? 広告にかかった経費とお客さんになった人から得られる利益(継続購入分も含めて)を天秤にかけて、プラスだったら大成功ではないでしょうか。5万部の女性誌でプラスなら、500万部の新聞に乗せれば、利益は100倍でしょう?

 

率を睨んでいじくりはじめると、大抵ドツボにハマります。現場や現実から離れて行って、数字をいじくることに精を出す社長の会社は、経営と現場の分断がはじまるのです。必要なのは率ではなく、額です。プラスなら大成功です。プラスでないなら、まずはプラスにすること。反応率を高めるなんて話は、ずっと先の枝葉末節です。

 

率で考えてもいい「定着率」

 

反応率はどうでもいいのですが、顧客定着率は見たほうがいい指標です。新規開拓の10分の1以下の労力で買ってもらえるといわれるリピートのお客様。既存のお客様は大切に。それがいままでの考え方でした。「顧客満足度ナンバーワン!」ってどこの会社もいいますよね。でも、どうなんでしょうね。満足度が高かったからといって、その店やその商品をずっと買い続けてくれるなら、満足度ナンバーワンの企業の寡占・独占化が急速に進むと思いませんか? そうはなっていないということは、どこかでお客様は浮気しているわけです。コーヒーはK社!と決めていても、たまにはU社も飲むし、N社も飲むでしょう? こうやって考えてみると、自分を含めて人間は浮気性だということです。小売業や飲食業なんて病的な浮気客相手の商売ということになりますよね。どんなにカレーが好きでも、毎日同じ店の同じカレーっていうのはツラいので仕方ないんですけど。

 

じゃあ、測定してみましょう。ということなんです。どれくらい浮気されているかチェックするんです。毎日くるような商売でしたら、時間のスパンを日に。週に1度なら週に。散髪のようなものなら月といった具合ですね。それでどれくらいお客様が流出しているかチェックして、「ヤバい!」と思ったり「改善できた」とよろこんだりする。そのための測定です。

 

さて、測定したらどうすればいいかを考える段がやってきます。定着率を高めるには、お客様が忘れないことが一番です。人間が浮気症なのは、その商品やお店のことを忘れるから。大抵2〜3週間でキレイさっぱり忘れます。なので、それまでに必ず手を打つ必要があるのです。一番効果的なのはその日のうち。次に1週間後まで急速に記憶は薄らいで、3週間後には細かい部分はほぼ思い出せなくなります。ビジネスも恋愛と同じで、相手のことを考えている時間が長いほど、頻繁であるほど、強烈に惹かれるのです。反対に考える時間が少ないほどにどうでもよくなって、忘れます。忘れられないためになにをするか……これは各社に任せますね。化粧品や健康食品会社は、3週間、毎週末プレゼントを送ったりするそうですが、自動車販売会社などだとそれもちょっと難しいですよね。ポイントは、3週間の間に、当日を含めて3〜4回は接触すること。これでもう忘れられません。そのあとはちゃんと関係を継続するように、定期的に情報誌を送るなどの施策を講じていくことです。最近はネットがありますから、毎日、決まった時間に、情報発信をするというのでも構いません。関係が築けたあとは、「マジメにやってますから忘れないで〜!」と言い続けるだけでも、相当の流出阻止になります。

 

私がオススメするのは、商品カタログの背を開いて送ること。ピンときた人はいますぐはじめてみてくださいね。

 

 

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