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香りの魔力

仕事の効率を上げる「香り」の力

集中力を高める香りや売り上げアップの香りが存在する

 

人間は五感を持って生きているので、様々な情報を常に受け取りながら生きています。そのなかで、視覚は一番認識されやすい一方、判断もつきやすい感覚であるといえます。事務所内にデカデカと「仕事がんばれ」といった標語が書いてあると、確かに強制力は働きます。即効性はあるのですが、拒否反応も強く出ます。これは、五感を持つ人間が「反応する動物」であることの証左です。強くこられれば、強く反発したくなる。ましてや、働きたくない人間からすればなおさらです。同様に、視覚と同じくらい重要な感覚である聴覚に訴えるのも、即効性はあっても継続性はありません。職場なら叱責ということになるでしょうか。「もっとがんばれ馬鹿野郎」といっても、社員は働かないのです。これらは、瞬間的な判断が求められる場合には使えても、長期反復しては使えないのです。強烈なスローガンや叱責で売り上げをつくれ、生産性を上げろといっているなら、すぐにでもやめたほうがいいかもしれません。それらは、運転中の標識(視覚)、クラクション(聴覚)と同じです。たくさん見たり聞いたりすると、うんざりするだけです。

 

一方で、無意識、無自覚に受け取ってしまう感覚は、即効性はなくても継続性があります。その代表格が「嗅覚」です。びっくりすることに、中小企業のほとんどは、会社の香りについて気をつけていません。それどころか、「臭い」なのに、平気な顔をしています。気を使っていても消臭スプレーや芳香剤を使う程度で、それ以上のことをしていることは稀です。

 

世界的には香りによる生産性向上や、ブランディング、売り上げの上昇などはもはや常識で、これに取り組まない理由はないはずなんです。自然素材を扱うお店や建設会社は、ヒノキの香りの芳香剤を置いていたりします。花粉症の人は嫌がるかもしれませんが、まさに自然! という感じで、お客さんの滞在時間が伸びます。大手書店などでも業務用の芳香システムを使って、チョコレートやココアの香りを出しています。売り上げが1.5倍になったそうです。

 

人間は無自覚に香りを嗅いで、自分を奮い立たせたり、ガードを解いたりしてしまうものなのです。寝室の香りをよくすると眠りがよくなるように、寝ていても心身に及ぼす影響があるのが香りです。うなぎ屋さんやパン屋さんはもちろん、カレー屋さんに古着屋さんなども、香りを嗅がせる商売です。その香りで客を集めるのです。

 

「でもさ、ウチはそんなタイプの会社じゃないし」

とおっしゃる方もおられるでしょう。試しにアメリカの超大型アウトドアショップなんかに出かけてみてください。熊の剥製なんかが置いてあり、銃やアーチェリー、カヌーや4WD車が並ぶすぐそばで、チュロスやドーナッツを焼いて、ホットココアと一緒に配ってますから。甘い香りに誘われて、うまうまと何万ドルもする車を契約してしまうんですね。これはアコギなテクニックだと思いますが、人間は嗅覚に抗えず、なおかつ美味しそうなものには対抗できないのです。

 

余談ですが、私は胃腸が弱く普通のカレーは食べられないのですが、カレー屋さんの前に行くと無性に食べたくなったりします。下血するとわかっていても抗えない。食べたいという欲求は精神力で退治しますが、ダイエットに失敗する人の多さをみれば、それが簡単にはいかないこと、香りが無敵の戦略であることはおわかりいただけるものと思います。

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