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社員が知っておきたい「お客様」の定義

お金を出してくれる人がお客様ではない

 

こちらをお読みいただいているかたは中小企業の経営者が多いことと存じます。ですので、「お客様」とはどういう人ですか? といえば、すぐに答えられるはずです。

 

つまり、ちゃんと支払ってくれて、きもちよく取引をしてくれる人、です。

これに当てはまらない場合、取引停止です。お客様第一主義を標榜していたとしても関係ありません。そもそもそのかたは「お客様」ではないのですから。

 

この判断ができるのは社長だけです。現場の社員は一件でも契約したい、売り上げが欲しいと思って、わざわざ足元を見られにでかけていきます。そしてそれを誇らしげに掲げ、自分の手柄だというのです。手強い取引先や個人客、百戦錬磨の経営者相手に、ちっぽけな一社員が交渉に行けば、そうなるのは当然です。

 

ですので、社長は社員に「お客様ではない人」の定義をしなければなりません。先日の粗利の話もありますが、ちゃんと利益を出させないような取引先は早々に断ることですとか、重大で悪質な行為、例えば人格攻撃やセクハラなどをする取引先だってあります。女性社員がいる場合は契約のためだといい出せずにいることだってあるので、明確に「こんな奴は客じゃない」と書いて渡しておかなければなりません。

 

お客様の定義は難しくても、その逆は簡単

 

すでに述べたとおり、お客様ではない人の定義は大切で、また、お客様の定義をするよりずっと簡単です。それに加えて、最近流行の「ペルソナ」などというものをつくり、想定のお客様像を生み出して、そこに注力すれば自ずと事業は成功するなどという「世迷言」に騙されずに済みます。

 

ペルソナなどというものは妄想でしかなく、じゃあそのペルソナに合致する人を連れてきてくれよ。といっても、連れてこられるわけがないのです。「我が社のペルソナは男です」くらいのものなら別ですが、それはもはやお客様を定義しているとはいえません。平均的なもの、想定するものが存在しないことは、戦闘機のコクピットを平均的な体型にあわせると誰が使っても使いにくくなってしまったことや、平均的な理想の女性「ノーマ」コンテストで、誰一人としてノーマと同じ体型の女性がいなかったという逸話からでもわかります。架空の想定などなおのこと、なのです。詳しくは『平均思考は捨てなさい(Amazonリンク)』あたりをお読みください。

 

お客様像を狭めることは、想定外のお客様を追い返すことにもなります。ローコスト路線と思って商売をしていた工務店が、大金持ちのお客様が「これ、賃貸用にいいね」といってくれたおかげで別の販路が見つかったということがありますが、そういった想定外が起こりにくくなる。年収何万円くらいの家族じゃないと! などと広告を狭めて打つと、なおさら出会いは遠のきます。

 

ですので、お客様の定義は狭めません。しっかりと絞るべきは「お客様ではない人」の定義です。こちらを決めるのは茫漠としたお客様像の定義と違って簡単です。利益にならない人、迷惑な人と大枠でくくり、実体験などを交えて社員と話しあい、最終的に社長が独断で定義すればいいのです。

 

もちろん、社員から反発があるでしょう。そんなことをしたら客離れが起こる! などです。でも、一番お客様が離れるのは、お客様ではない人を「ありがたいお客様」と同列に扱ったり、同じ空間に居ることだったりします。高級レストランにきて、子どもが走り回ったりすると、常連さんは文句もいわずに二度と店にこなくなります。果たしてそれがいいことか、というと別問題ですが、こういうことが起こらないようにするのがお客様の定義なのです。

 

いいお客様だけ集めていけば、どんどんいいお客様が集まります。もちろん、正しい商いをしていればですが。そこに欲をかいて、定義に反するお客様を入れると、あっという間に価値が暴落、崩壊します。

 

社長はお客様ではない人の定義をしっかりして、社員手帳などに盛り込むことです。それができるのはあなたしかおりません。

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