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仕組みと発想の転換で問題を解決する

反則を罰則だけで取締るのは難しい

 

悪いことをしたら取り締まられる。

これは当たり前ですが、人間は罰金を払うこと自体は苦痛に感じても、「金さえ払えばいいのだろう?」と自己正当化をしてしまいがちな生き物で、そのうち「金をとるなんてフテエ野郎だ!」というふうにシフトしていきます。これでは罰則の意味がありません。

 

反省させると犯罪者になります(AA)』という新潮新書の本がありましたが、まさにああいう状況になるということですね。

 

そこでエストニアの警察が考えたのが、スピード違反者に罰金ではなく初回なら「45〜60分待機」という新罰則です。側道に捕まえられ、パトカーのなかでひとり静かに60分待っていないといけないのです。これは堪えます。「お金を払う=金を払ったからいいだろう」と自己正当化させませんし、「金を払うか、60分待つか選ばせてあげます」といったうえで、あなたの好きなほうをどうぞというあたりもミソで、自分で選ぶと敵意や憎悪を一方的に相手に向けられないので、反省が促されるようです。

 

また、違反者にはデカデカと「臓器提供意思表示」と書かれたカードが手渡され、「書いてね?」といわれるそうです。

 

……わかりますよね?

危険運転で事故って死んだら、よろしくね……。

言外に匂わせているわけです。

自分のことだと身につまされれば、交通事故のリスクや結果を勘案して、少しは運転を改めるかもしれません。危険な運転をする人間は、自分は事故を起こさないと無根拠に考える人間ですから、死んだときのことや事故を起こしたときのことを真剣に考えていないのです。そんな人たちに現実を叩きつけるには、これはもってこいかもしれません。

 

仕事の現場でも、怒りや叱責に頼るのではなく、こうした捻りの利いた、頓知を活かしたほうほうで職場改善を目指したいものですし、少し手を加えれば活かすことができるかもしれません。

社員の社用車を安全運転させたいなら、訓示よりも臓器提供意思表示カードを書かせ、毎日乗る前に手渡して携帯させるなんてのもいいかもしれませんね。

 

 

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