1. HOME
  2. ブログ
  3. 採用広告なんて必要ないかもしれません

採用広告なんて必要ないかもしれません

採用広告を紙で出すのはやめてもいいかもしれません

 

広告デザイナーでコンサルタントなのに、自分の首を締めるようですが、そう思うのです。

 

お金儲けのためにウソをつくのはどうしても性分にあわないので、告白してしまいます。

 

そうやって「大人のウソ」に耐えられないから、組織で働けないダメ人間です。

 

さて、以前、採用広告について考える機会がありました。

「新規採用が難しい。中途も大変だから、コンサルティングが欲しい」

ざっくりいうと、こんな感じです。ポスターや雑誌広告に、デザイナー視点で原稿を入れてくれ、というところですね。でも、そんなのは小手先です。採用広告は凝ったものにすることもできますが、褒めてくれるのは広告大賞のようなものだけで、じゃあ本当に必要な、あなたの会社の価値観に適合した人が採れるのかというと、「広告的にいい広告」ほど採れないというジレンマがあります。ましてや、中小企業が良い広告を出してしまうと、会社の平均的な人材よりはるかに優秀な社員がやってきてしまいます。

 

……それのなにがいけないのか?

社内がぶっ壊れます。とびきりの優秀人材は、レベルの低い会社にはいてくれません。すぐに辞めます。優秀人材はあっという間にあなたの会社の誰よりも仕事ができるようになります。すると、ほかの社員がやる気を失い、辞めるか、居るだけになります。最悪のパターンは、こうして会社全体が険悪なムードになってから、優秀な社員が独立なりで辞めることです。こうなると、あとは……。

 

優秀な人材なんていりません。あなたの会社は、いまいるメンバーがベスト。新規採用もそれくらいがベターなのです。いい人を採ろうという欲が、大きな落とし穴を作るということも知っておいたほうがいいかと存じます。

 

 

紙媒体の採用が難しい時代に

 

いまさらなにをいっているんだと思われるでしょうが、世はネット時代です。ですので、若い子は紙媒体を読みません。読んだほうがいい場合もあるのですが、読む時間がないでしょうし、興味のないものに目を通すのは苦痛です。だったら、採用情報も紙媒体に載せちゃダメなんです。採用情報は、チラシなどの広告と同じです。新聞チラシはもうダメです。とことんの落ち目になりました。本当にがんばれているところだけが残り、思いつきで単発投入するだけでは、まるで集客できません。まさに激戦区です。

 

また、求人情報誌も雑誌広告同様に、手に取ることが減っているうえ、画一的な内容記載しかできないために弱いです。じゃあ、ネットかというと、ネットでも勝てるのは採用への資金投入が可能なところだけ。つまりは大企業です。ネットは海千山千だということをどの学生も知っていますから、どんなによさそうな条件を載せていても、聞いたこともない会社には応募しません。

 

じゃあ、どうやって採用活動をすればいいのか。

 

ネットです。

 

もう一度いいます。ネットです。

 

「いまネットダメだっていったとこじゃん! 舌の根も乾かぬうちに!!」

 

ええ、でも、ネットです。特にSNSになります。

みなさんは会社でSNSやってますか? 専属の人間がついて、独創的なことをしていますか? まあ、できてませんよ。できませんって。それは仕方がないので責めようもありません。偉そうにいっている私もできていないので、何の心配もないことです。でも、とりあえずアカウントを開設して放置だけはやめましょう。ネットで社名を検索してSNSがあれば、ツイッターやインスタグラムのアカウントが引っかかったなら、いまの人は会社の公式HPより先にそっちをみに行きます。そして一切更新のない宣伝アカウント……。

 

ああ、ダメだこの会社。

 

これでおしまいです。また、ちゃんと更新していても、「今日はレタスが200円」「展示即売会にきてくださ〜い!」とだけいっているアカウントもダメです。SNSの利用者は、あなたをフォローしようとは思いません。なぜって、不快な広告を見せられる義理なんてないからです。

 

SNSは顧客獲得に使おう! なんて指導しているコンサルタントもおられます。確かに、使えるでしょう。でも、SNSって社会のネットワークなんですよ。お友達ツールなんです。友達と楽しく会話しているところに異質なものが割り込んできて「買ってよ」とかいってくるわけです。不気味でしょう。腹立たしいでしょう。嫌われるだけかもしれません。

 

ですので私は、顧客獲得を目的とした当事者意識も血の通った人間味もない企業アカウントをやるくらいなら、よしなさい。というのです。

 

一方で、SNSは社会に浸透しています。上手く活用し、世間様の役に立てば、仲良くしてもらえるかもしれません。その過程で、自社を知ってもらうのであれば、無理も不快も少なく済みます。そのためには、色々な工夫が必要なのですが、SNSで仲良くする、知り合いを増やすことがお客さんの増加に結びつくという可能性は確かにあるようです。ということは、同じような方法で、採用活動だってできる、ということです。人生を預かるわけですので、会社から物を買ってもらうよりずっと難しいかもしれませんが、それでもやりようはあるんです。

 

例えば、社長の出身地、社員の生まれた街や病院、出身校。すべて公開して、純粋に同じ属性の人と仲良くなっていく。これに1年はかけましょう。どうせ採用活動は1年単位なんです。1年使うのはいつものこと。本気で、商売抜きに付き合うのです。私の場合、「富岡西高校」出身ですから、富西が甲子園に出たときに、話題にしている人を追いかけ回しました。

 

あ、これは純粋に富西の先輩後輩と知り合いたいと思ったためで、商売上どうのということは一切ないんですけど、見ず知らずの人間がフォローしてきても同じ学校というだけでなんとなく仲良くなれたりするんですよね。甲子園優勝校にやられてしまいましたが、善戦したなあ! なんていいあっているうちに、旧知の仲になったような気がする。これがSNS「社会のネットワーク」であって、お友達ツールの強みと魅力なんです。

 

これを理解せず、使っていない人がなんと多いことか。ガッカリです。商売のために使うのは不純なので、私はむしろ商売無関係に使うべきだと考えますが、商売をしているなら「要らないから使わない」という手はありません。要らなくても使うべきです。なぜって、その地域にそんな人がいるということに価値があるからです。田舎ほど、自分の住んでいる街にそんな会社があったのか〜と思ってもらえる。それだけで地域の魅力を増しますし、人の定着や経済の好循環をうむ可能性が高まります。やらない手はないです。やらないということは、会社に屋号をつけない、お店に看板をあげないのと同じこと。古い人間だな、ですとか、そんなに人が嫌いなの? と思われてしまうかもしれません。

 

地域の一員として、楽しく仕事をし、好きな話題を発信しているうちに、あなたとあなたの会社の空気と価値観を理解、共感し、同程度の能力を持った人が集まりやすくなるのです。SNSにはそんな力があります。

 

傍目には、ネットで集客や求人に成功していると、魔法のように見えますが、まったく魔法じゃありません。昔からあることが、ネットでなされるようになっただけ。

 

酒灼けした声でサンマを売る魚屋さん、いつも笑顔がすてきな丸々太った八百屋の奥さん。そういった人柄が溢れる姿を、SNSで見せられるようになっただけです。

 

ネットは時と場所を選びません。お店の前にいなくても、人と繋がれるのですから、この点については魔法のようでも、根っこの部分では同じです。

 

SNSを使わない手はない。紙の求人や、平板なネット求人なんて出している場合じゃないのです。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事

調べものですか?

最新記事

おすすめ記事

特集記事

About Author