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せっかくのメールなのだから、もっと効率的にいこう

メールは効率化のために生まれたのに……

 

そもそもメール文化は、上下関係の希薄な文化圏で生まれました。

書き出しはせいぜい Dear. であり、立場が上、年が上、年収(?)が上の人に対しても Hello. や Hi. だったりします。私は物を書く仕事をしていますし、文化地理学や民俗学などをやりましたから、手紙文化や奥ゆかしい日本の伝統的な文化も残していきたいと本当に思っております。それでも、メールというまったく新しい仕組みを利用するのに、どうして手紙文化を引きずっているのかと思うわけです。

 

お互いに忙しいのでしたら、単刀直入に本題に入るのがベストでしょう。

「部署名などの宛先と宛名、要件を箇条書きにする、締めの挨拶」

これくらいで十分だと思うのです。ビジネスメール講座などといって、まるで伝統文化であるかのように仰々しく長ったらしい「時候の挨拶」が入ったメールを新人研修で教えている会社もありますが、完全に騙されています。そんな伝統はありません。偽の伝統、創作の伝統を植えつけられているだけです。メールなんて20年前までほとんどの人がいまのように使ってなかったんですから。1世代も経ってないんですよ。ビジネスメールの形なんざ無視して結構、なのです。

 

特に私はメールに関しては急進派ですので、取引企業間や社内の依頼のメールや確認のメールなどへの返信は「OK」でもいいと思ってます。スタンプ? とかでもいいでしょう。かわいらしいアニメーションがあれば「了解」の一言でも許せるかもしれません。それがビジネスに相応しくないというのでれば、ビジネスの本質を見失っているとしかいいようがありません。ビジネスの世界では、一義的に利益に貢献することがすべてに勝るのです。そうであるならば、効率こそが追求されるべきです。それがおかしい、礼儀こそ一番と考えるならば、メールや電話、手紙すら使わず、直接訪問して伝えればいいでしょう。それが一番礼儀的に正しい道です。極論でもなんでもありません。どこに軸足を置くか、ということです。礼儀に置くならそれでもいいのです。ただし、上下関係や手紙的文面、礼儀を大切にしない国に圧倒的に遅れを取ることは覚悟しないといけません。

 

長文メールによる最大のデメリット

 

「そんなこといってもよ、了解のことすら『りょ』なんて略す奴もいるんだぞ? 情緒もクソもあったもんじゃねえ!」

とお怒りの方もおられることでしょう。ただ、メールを簡略化するというのは、礼儀や情緒の問題だけではないのです。情緒を重視したばかりに、仕事や約束事の要件が吹っ飛ぶほうが問題ではないでしょうか。

 

ふつうの人は長文を書くのに慣れていません。それ以上に、読むことにも慣れていないのです。結果、長々とメールを書くことに時間をかけ、場合によっては1時間も200文字程度のメールに時間がかかって、しかも必要な情報が入っていない、なにをして欲しいかわからない「無駄メール」を送ることになるのです。同様に、読み慣れていないため、日本語の文章として流麗に書かれた傑作メールだとしても、長文だと「やって欲しいこと」が読み取れないか、忘れるのです。彼らは読んだことに満足感を感じてしまうからです。

 

メールは本当に無駄の宝庫です。だからといって、電話にしろとはもっといいません。電話は相手の都合を無視して時間を奪うツールです。困ったら電話をする人の特徴は、自分で調べて学ぶ習慣がない人です。電話の方が早く片付くと思っているようですが、困るたびにすべて誰かに頼むわけで、自分はまったく成長しないので、結果として損をしますし、相手にも迷惑をかけます。また、人生単位でそういう行動が根付いているので、単純作業やコンフォートゾーンといった、居心地のいいこと、できること以外から学ぶことがないために、いつまで経っても学生や新人社員レベルのまま年を取ります。こういう社員がいると会社にとっては大損です。

 

こういった習慣を改めるには、やはりメールなんです。日常業務でメールを使わない人はいませんからね。また、メールほど比較が簡単なものもありません。仕事ができる社員、頭の切れる社員の送るメールややりとりは、文章として残るので、自分のメールとどこがどう違うか一目瞭然です。電話だとこうはいきません。

 

社員教育は、まずメールを効率的に使う習慣からです。ここから仕事を効率化する視点と習慣を身につけ、わからなければ調べる、それでもダメなら要点を明確にして聞く、改善するというアップデートの循環をつくっていきましょう。こうして「もっと効率的にやる方法があるかも?」という視点と調べる習慣が根づけば、仕事が早くまわる仕組みができていくはずです。

 

参考ビジネスメール

「株式会社XX YY課 ZZ様」
「AAAAの 佐藤です」
1)○についてお願いします
2)△を確認してください
3)□の件、了解しました
          以上です。
「返信先情報」

これで十分です。これでも多いくらいでしょう。はじめての相手なら自己紹介もありましょうが、そうでもなければダラダラと作文をするのは無駄でしかありません。挨拶もなしにいきなり要件を伝えてくることに腹が立つなら、もう一度冷静に考えてください。ビジネスとはなんなのかってことですね。お互いに利益をあげたり、仕事を減らして楽をすること、それら活動を通じて世の中をよくすることでしょう? この共通認識を持てていれば、単刀直入な文面でも腹は立たないはずです。腹を立てるということは、余計な仕事を増やして苦労することであり、利益を減らすことであり、世の中をちっともよくしないことですからね。

 

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