会社にロッカーはいらない｜片付けの極意
移転を考えた小売店の社長のはなし
売り場スペースが小さすぎて、移転しなければならないというスーパーの社長さんがおられました。聞けば、新しく地域の野菜とお酒とつまみのコーナーを拡充するのだとか。いまの売り場ではその展開が難しいので、もうひとまわり大きいテナントを探しているけれど、そのためには賃料だけでも10万円近く上がってしまい、移転費用もとんでもないことになる。さて、困ったというんですね。この問題、どう解決すればいいか。この項で出てくるのですから、答えはもうおわかりですね？
「従業員のロッカーと更衣室を処分する」
これが正解です。当然、大反対が起きました。鮮魚生肉担当の人からすれば作業着で出歩くのは抵抗があるでしょう。でも、断行してもらうことにしたのです。そのかわり、全従業員に衣服代として3000円を毎月支給し、春と秋に会社が決めた無地のポロシャツを支給することにしました。ポロシャツのデザインは社員でデザインして決めたものです。スポーティなデザインで、外で着ていても違和感はありません。勤務中はこれに白衣やブルゾンを着て業務にあたります。
パート含め20名の従業員全員に月3000円。それに年に2枚の半袖、長袖のポロシャツ代。月割りにして10万円かかりません。家賃アップに移転費用、移転の結果パートさんの退職が起これば採用も必要ですし、知名度もイチから高める必要があります。諸々考えれば「月に5000円でもよかったな」なんて話が出るくらいでした。
ロッカーなんて百害あって一利なしです。スタッフだと一目でわかるようなものでないなら、事務用制服だって要りません。着飾って儲かる職種、芸能人やホステスならいざ知らず、そうではないなら選挙用のブルゾンくらいのもので上等です。
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