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「ついで買い」してもらうための技術

ついで買いはマクドナルドのアレです

テンション・リダクション効果のちから

 

「ご一緒にポテトはいかがでしょうか〜?」

みなさんも一度は耳にしたことがあるはずです。マクドナルドはついでに買い物をさせる、ついで買いで売り上げを伸ばしているのです。テンション・リダクション効果というそうですが、アホの私に横文字はまだはやいので、「ついで買い」といっています。

 

マクドナルドでメニューを見る。悩んでハンバーガーを選ぶ。

「よし、マックポーク(なんで廃盤に……)とバニラシェイクにしよう!」

ここでテンションがかかっていたものが外れます。緊張と緩和というヤツです。そしてすかさず、

「ご一緒にポテトはいかがでしょうか〜?」

「(ポテトはSもMも100円か……)じゃあ、お願いします」

 

心の虚をつき、かつ、メインの会計に比べてお安い商品を提供する。これがポイントになります。ついでに買ってもらおうとしても、元の会計より高額商品は基本的に売れません。レジのそばにあるのは、ガムや大福、チョコなどですよね。安いんです。これはアンカリング効果を用いたものです。横文字苦手ですけど、「いかり効果」というよりわかりやすいので、アンカリング効果といっています。

 

つまり、船のいかりをおろすのと同じなんです。メインの買い物がTシャツ1枚で3000円だったとき、2万円のジャケットは「ついで買い」しません。いかりが投げ込まれているのが、3000円だからです。一方、靴下や下着が1枚500円、3足1000円なら、「買い替えてもいいか」となる。3000円より安いので、誤差のように思うからです。たったこれだけで売り上げが3割弱アップする、人間の心理の弱点をついた販促法なんですね。

 

ちなみに、レジの横に並んでいるものは基本的に即効性があって、本能的に欲しいと思えるものが多いはずです。ついで買い効果を最大限発揮するならば、「甘いもの、脂っこいもの」といった直接脳に働きかけるものがいいのですね。ニコチンのようなタバコ・電子タバコ関係は高額なので防犯的な意味合いが強いのでしょうが、やはり我慢できない人が多いからこそレジのそばにあるのが正解なのだと思います。

気が利くフリしてあそこにいるんだから、まったく悪い奴らですね! コンビニの大福美味しいですもんね!

 

ついで買いを誘発するために

 

先日、キッチンカーひとつではじめられるからと、鈴カステラ(ベビーカステラ)を焼いているかたからの相談がありました。確かに味は悪くありませんでした。詳しくないのですが、普通のお店は市販のホットケーキミックスで焼くとか。ちゃんと粉から吟味しているんだそうですよ。でも、思ったように売れない。場所代のほうが高くつく日すらある。どうしたものか。という相談です。

 

舟形容器にドサっと入れて、ザラメをかけて10個400円。

商店街で買い物をして帰る人たちに売っていたのですが、この問題を解決してみろと若い私に白羽の矢が立ちました。

私が早速取り組んだのは、

  1. 商店街の客層はどうか
  2. なにをどれくらい買っているか
  3. お客様のアンカリング効果はいくらくらいか

この3点の調査です。

商店街にこられるお客様は、基本的に客層は雑多。しかしながら、時間帯などを見れば偏りはあります。そこに訴求するにはどうすればいいか考えねばなりません。次にここが一番重要で、お客様はほかの用事で買い物にきていますカステラを食べにはきていないということを肝に銘じなければなりません。つまり、100%ついで買いしてもらわなければならない状況ということなんですね。

 

しかも、ほかの買い物をして帰るのですから、商店街を歩いている間は「買い物しなきゃ」と緊張状態にあり、商店街内のスーパーやブティックで買い物をしたあとは、緊張は緩和していても「両手が塞がっている」のです。

 

そこで私は、個数を半分にすることを提案しました。

本来ならば手間が増え、粗利が下がり、いい戦法ではないのでオススメしないのですが、売れないよりは遥かにマシです。10個のカステラを5個にする。さらに減らして3個でもよいということにしました。

これは、容器が荷物で塞がった手と反対側、ハンドバッグを肘の内側にかけていても持てるくらい小さくして、荷物にならないアピールをするためです。人間、荷物を持っているときに、さらなる荷物は持ちたくないものですからね。

 

また、車体のラッピングとして、ポスターも容器を持ったキャラクターの絵を「手元を拡大」して使うようにしました。片手で食べられるアピールです。ちなみに、容器も舟形のプラカップではなく、ハンバーガーを包むような「ロウ紙」にしてもらいました。紙包みに顔を突っ込み、鈴カステラにかぶりつくのです。

 

お行儀は悪いのですが、なにか食べていることが一目瞭然。しかし、中身はわからない。なんだか気になる……。「それ、なに?」と聞いてもらえればしめたものです。

さらには買い物客が歩きながら食べるので宣伝効果大。包紙もオシャレでパンチの効いた、遠くから見えるものにしました。また、なるべく作り置きはせず、行列を故意につくるようアドバイスもしました。もっともこれは、買い物と家事で忙しい時間帯には逆効果なので、上手く使い分けてもらう必要があるんですけどね。

 

そんなコンサルティング初心者のアドバイスで売上がどうなったか……。細かく聞いてはおりませんが、最近もう一台キッチンカーを増やしたといいますから、きっと上手くいったのだと思います。

 

ついで買いを誘発させるには、2つの心理原則が大切だというお話と、それに合致した売り方の工夫が売上を改善するかもしれない、というお話でした。ぜひご参考になさってください。

また、内容がよかった! 効果アリ! というかたは、実践者の声として紹介させていただきたいので、ぜひぜひご連絡ください。(査定につながれば私の朝食のバナナがちょっとだけ高級になります)

 

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