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キャッチコピーのつくりかた

キャッチコピーの基本の「き」

キャッチコピーを読んでなにが書いてあるかわからないものはだいたい失格

 

売れるキャッチコピーはなかなか思いつきませんけど、売れないキャッチコピーはすぐにわかります。

 

お客様のたっての希望……というかですね、大抵クライアント(お客様)の、「こういうキャッチを思いついたから、これは絶対大見出しにしてくれ」という熱い思いに跳ね除けられ、売れないのがわかっているキャッチコピーを「入れさせられてしまう」のですが、私は広告デザイナーであって、広告アーティストではないので断ることもしません。2度説得してわからなければそのままスルーです。

酷い奴ですいません。

 

酷い奴だということは自覚しております。でも、本当の本当に酷い奴は、説得もなければ、売れないキャッチコピーの法則も知らない奴なんじゃないかとも思うのです。ま、五十歩百歩です。

 

さて、売れないキャッチコピーにはいくつか法則がありますが、そのなかでも大きなものを2点挙げておきます。

 

まず、ひとつめです。

「本文を読まなきゃ、何を書いているかわからないコピー」

 

これは失格です。最悪も最悪ですね。難解な造語、見慣れない漢字、意図のない言葉遊びは、ほとんどの人間に引っかかりません。視界に入っても認識されないのです。

 

運よく読んでもらえたとしても「なんだこいつ」と思ってそれまでです。この記事も冒頭からウダウダと書いてますよね。「なんだこいつ」と思ったはずです。

 

「本当に知りたい! という人以外おかえりください」という酷い奴特有の性格でもって、そう思わせるようにワザと嫌われるように書いてありますので、これは別にいいんです。いいんですけど、ふつうわざわざ嫌われるような商売はしませんよね。そんなことをする理由がないですもんね。
だったら、何を書いているかわからないキャッチコピーなんてつけちゃダメなんです。

 

例えば、マンションポエム的なものとかですね。

「究極の Lux 梅田」

「西麻布という独立国と遊ぶ」

 

こんなことしちゃいかんのです。

いいですか? 隙間があったら無視してください。余白を恐れてはいけません。埋めようとするとゴチャついて、注意散漫な広告紙面になってしまい、むしろ反応率を落とします。

 

な〜んていっても、隙間があると「手抜きだ埋めろ、商品の写真を送ったから」って締め切りの夕方にいわれたりするんですけどね。わざわざ反応率を下げたがるんですね。意味不明なキャッチコピーと一緒に。

 

否定的イメージが強い語句、文言は売れません

こんな激辛料理の広告があるとしましょう。

A:「痛い!! でも、旨い!!!」

B:「旨い!! でも、痛い!!!」

これのどちらが当たるか。もちろん、出し方にもよりますけども、大抵、否定語が後にくると反応は落ちます。つまり、Bはよろしくない。

 

痛さで苦しんでいることだけを印象付けてしまってはいけないのです。次の例で紹介しますが、逆転させられる動画ならいいんですけどね。痛いといいながらもバクバクみんなが食べている、だとか。それだと、一層「美味しいんだな」と「想像」させることができますから。想像させずに、情報を与えるだけだと、否定の要素だけが残ってしまう。それが、危険、損、不快を嫌う動物的本能からくる、ふつうの反応です。

 

「この製品の特徴はXでYでZで、水銀不使用です」

こんなコピーもありますよね。「不使用」という否定語、これもネガティブなイメージを抱かれます。「水銀」というよくないイメージのあるものを、否定しているからいいだろうと思って書いている人が多いんでしょうけど、人間は賢くない生き物なので、否定を受け入れられないんです。「水銀不使用」というダブルのネガティブイメージは、そのままネガティブイメージとして残ります。よほど水銀について興味のある人を除けば、です。みなさんも思い出してみてください。興味のない広告のコピー、CMなどでも、否定的内容を見ると、そのままよくないイメージを抱いているはずです。

 

否定語を用いる場合は、逆転しないといけません。否定で傷ついている状態から、逆転ホームランを打つんです。これは青汁のCMなんかがわかりやすいですね。「不味い!! もう一杯」という印象的なCMがありましたが、「不味い」のに、「もう一杯」飲もうと思えるほど健康にいい、という逆転のイメージを与えているわけです。ただ最近は、CMを真剣に見る人も減ったので、まわりくどいことはせず、「美味しい!」といわせたり、「野菜不足にお悩みですか」と軽く否定語から入って、「こんなに元気になりました(使用者個人の感想です)」といわせていますよね。これも軽い逆転です。強烈に否定のイメージを持たせると、忙しい現代人はそれだけで買うのをやめようと思うからなんですね。

 

あとは、本質的に人間が嫌いなものを見せれば見せるほど、特に女性は顕著に離れます

 

虫、ヘビ、不潔なもの、醜い体……。こういうものは見せれば見せるほど、投げる網のサイズは小さくなります。つまり、たくさん集めたいときには不向きです。驚きなのは、化粧品の広告は若い日本人女性を出すより、金髪の白人女性のほうが売れるということ。中高年の女性になると反応は逆転するのですが、同じ日本人の若くて美人なモデルは「本質的に嫌い」なのかもしれません。このように、どこに爆弾があるかはやってみないとわからないのですが、類推することはできますよね。

 

「1週間もかかる」というところは、「1週間でできる」と言い換える。これが鉄則です。

「勉強」ではなく「身に付ける」と言い換える。無理矢理やらされるものから、自分で獲得するイメージになるからです。

ビジネス書の編集時代のノウハウですが、「貧乏」ではなく「お金持ちになれる」といいなさい。これが言い換えの鉄則でした。

 

ここからコンサルタントのお手伝いをしているときは、「勉強会」ではなく「セミナー」としたり、セミナーが怪しい雰囲気だという方には「座談会」としたり「学習会」としたりしました。勉強は先のとおりですが、学習は学んで手に入れるイメージが勉強よりあるから、という判断です。男性の経営者中心でしたから、さすがに「お茶会」というのは許されませんでしたが、この10年でずいぶんと世間も拓けましたし、スイーツ男子なんてのもいますから「お茶会」でもいいかもしれませんね。反応率、かなり違ってくると思いますよ。

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