社員のプライベートに深入りするのが社長業です
プライバシーを尊重する会社は強くない
プライバシーというものは、結局のところ互いに壁をつくりあうことなんです。まさか性癖といったものまで開けっ広げにしろとはいいませんが、プライベートやプライバシーを大切にする会社は、中小企業ではどうしても弱くなります。
口では社員第一主義を掲げているのに、社員の下の名前はおろか、上の名前まで忘れている社長をたまに目にします。100人規模くらいの会社までは、ちゃんと名前と顔、誕生日くらいは覚えていてあげてください。覚えられないならメモしましょう。社員メモをつくって、好きな食べ物などをメモっておいてください。
不気味だ、耐えられない!
そんなことをいう社員もいるでしょう。でも、そんな社員を採用したのは社長のあなたです。事前にプライベートに踏み込みまくるぞ! お父さんやお母さんくらいうるさいぞ! 社員の健康や心を守れるのは、会社では親である社長だけだからな!! と宣言しておかない社長が悪いのです。
ひとりでも「過剰に」プライバシーを主張する社員がいると、場がしらけます。私もプライバシー尊重派で、ひとりっきりで何年暮らしていたって、数ヶ月誰ともあわなくったって平気な人間ですが、これだけは間違いのないところです。
心の壁を明確に表現する人間がいると、「じゃあ、俺もそうしよう」という人間が出てきます。すると、チキンレースのようにドンドンと過激化していって、あらゆることに非協力的になったり、我田引水的に権利を主張し合う組織に成り果てます。協力するということは本来面倒なことです。しかし、面倒だけれど結果として一番ラクに物事が片付くのです。こういった視点を持てずに、近視眼的に行動する社員だらけの会社が強い会社のはずがありません。
「今日、旦那さんの誕生日なんじゃないの?」
「来週、娘さんの学校参観日でしょ? 行かなくていいの?」
こういう会話がふつうに出てくる職場にすることです。そういう情報を仕入れ、そういう発言をしても「セクハラ!」「プライバシーの侵害!」なんていわれない環境づくりをすることです。一番手っ取り早いのは、そんなことをいわない社員を採用することですね。
協力しないよりする会社がいい。そのためにはプラベートに踏み込めるくらいの信頼関係を築くしかありません。
いますぐはじめると決めてください。
いますぐ、です。
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