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広告の失敗事例から学ぶ新聞広告の新鉄則

あなたの広告は誰も読んでいない

あなたは興味のない広告を読んでいますか?

 

どんなに説明しても、説明し足りることはないので改めてご説明します。

あなたの出す広告は誰も読んでいません。1000人に3人読むのを読んだ内に数えるならいざ知らず、まったくつながりのない他人の感情を揺りうごかすような広告というものは、もはやあり得ないといっても過言ではありません。

 

にも関わらず、広告を出せば売れると信じてやまない経営者はあとをたちません。

どうしてか。本気で広告に取り組まずとも売れてきたからです。

もしくは、そうしないとお客さんを取れないからです。

惰性でやっていて、ジリ貧になり続けている、ということです。

 

そもそも論として、あなたの家に届く、どこの誰が作ったかわからないようなDMや広告を逐一ウンウンいいながら読んだりします? 私は広告屋ですから真剣に見ることが「多い」だけで、全部が全部読むわけではないですし、「すばらしい! 買おう!!」なんて思うことはありません。元々欲しかったものや関連商品ならあり得ますけれど、まったく知らない商品、「コンシーラー」とかそういうものを見せられても、「あ、欲しい!」とは思わないのです。要らないものを売りつけるような力は、もはや広告にはないものと考えるべきです。

 

それでもやらかす問題広告

 

問題広告が生まれる背景はいたって単純です。問題商品があるからです。問題商品が生まれる背景も単純です。問題のある人が作っているからです。ここでいう問題のある人というのは、屈指のこだわりや才能を持っているわけでもなく、他を圧倒するようなスペックを叩き出しているわけでもないのに、自信満々で売りに出される「普及品」をつくってしまう人たちです。

 

彼らは我が子かわいさに、自分の商品はいいものだと信じます。まったくそんなことはないのにです。そして、せっせと商品説明をします。「そんなことをしても無駄ですよ」といっても聞きません。

聞くはずがないのです。

聞く耳を持っていれば、自分の商品が求められていないこと、大してすごい性能や価格ではないことに気づけるからです。

気づいておらず、我が子はかわいいと思っているということは、問題商品をつくり、問題広告を打つということと同義です。

 

かくして、売れない問題広告がつくられます。売るために広告の回数を増やし、広告代理店を肥やし、山の木々は減っていくわけです。まったく、無駄どころのさわぎではありません。マイナスもマイナス。災害に近い。

 

売れる広告には原則がある

 

売れる広告の原則は、平成になるまでは3点セットでした。「人・商品・コピー文」これがしっかりしていれば売れたのです。令和の時代になっても、社員一同の写真を載せない、商品写真は掲載しない、キャッチコピーが一瞬で理解できない広告をつくる会社は掃いて捨てるほどあるので、まだまだ定着には程遠いのですが、これが過去の広告の鉄則です。

 

一方で、平成のなかごろから変化してきた広告の鉄則は次のようになります。

1) 「こういうことで困っていませんか」

2) 「だったらこれがいいですよ」

たったこれだけ。

 

でも、これが守れません。ほとんどの企業が、「ウチの商品はすごいぞ! こんなに立派で、しかも安い!!」といいます。そうです。我が子かわいさで。

新鉄則に沿ってこういう広告をつくると、決まってクレームがきます。

「もっと商品写真を大きくしてくれ」「値段を大きく」「◯◯が高性能で〜(とにかく商品説明させろ)」

こんな感じのクレームです。

 

そうしてできあがるのが、誰も読まない環境破壊広告です。先述のように聞く耳を持たない人を説得しても無駄なので、広告デザイナーやコンサルタントは「バカタレが」と思いながら手直しします。そのほうが面倒ごとがないので。私だってそうします。でも、そんなことをしていたら、お客さん(クライアント)が儲からなくって、いつか広告を依頼してもらえなくなる。それはもっと困るのですが、そこまで説明しても、やっぱり聞く耳を持ちませんね。残念、無念です。

 

ですので、ここを読んで変えようと思った人だけ説得します。売れる広告の新鉄則は、

「こういうことで困っていますよね?」と提示して、「だったらこれです」という。

この流れだけです。商品説明はずっと後になってから。読んでいるお客さんが、ガマぐちの留め金に手をかけてからで十分です。

 

売れる広告の新鉄則はなぜ有効か

 

人間はあまり賢くありません。例えば、冬場、体が冷えたまま42℃のお風呂に飛び込むと、心臓発作で死んでしまうかもしれません。しかし、夏場だとどうでしょう。もちろん血圧の変動があるので掛け湯をしてから入るべきですが、「熱ッ!!」とは思いにくいはずです。外の気温が30℃以上あるからです。このとき、同じ42℃だからリアクションも同じになるはずだ。などと冷静に自己統制できるほど人間はまともにできてはいないのです。

 

新鉄則はこの人間の不出来を使っているのです。悪どいですよね。でも、効果的だから誰かが編み出し、それを分析して突き止めた人が広告の世界で真似して流行りだしたのです。そしてなにより、そういう広告の方が買う側にとっても理解しやすくなっているというのがミソでもあります。

 

新鉄則は、困りごとを提示して、「それならこれですよ」ということでしたよね? これは、真冬に風呂に飛び込ませる仕組みを活用しているんです。つまり、困りごとの部分で「あるある〜」ですとか、「心配になってきたなあ」といった感情を呼び起こし、体を冷えきらせてやって、そこから熱湯である「解決策」をぶっかけるのです。

 

例えば、2時間のサスペンスドラマなんかがありますよね? あれって、つまるところ「A子さんを恨んでいたB男がA子さんを殺しました」といえば済む話でしょう? 5秒で終わる話じゃないですか。でも、そんなことをしたら単なるニュースです。全然おもしろくない。感情も揺さぶられません。一方、順を追って事象を説明し、ドラマに仕立ててあるからこそ、2時間(も無駄)にできるのです。

 

広告も同じです。突然商品説明をしたら、単なるニュースです。「はぁ、そうですか」でおしまいです。しかし、ドラマ仕立てにすれば、どんどん引き込まれて、ついつい読み込んでしまう。そういう広告にしなければなりません。これには手間がかかります。でも、そうしなければ「はぁ、そうですか」で終わってしまうのです。

 

みなさんは日中、仕事に出かけるのであまり見ないのかもしれませんが、昼間の主婦層を狙ったテレビCMやテレビショッピングは大抵こういう効果を活用してつくってあります。夜中も同様です。人間の消費は深夜に喚起されがちなので(頭がボーッとして財布の紐が緩んだり、ハイになる)、そこに理解しやすいドラマを打つのですね。

 

これは余談ですが、まったくこれを活用できていないCMもちょくちょく見かけます。野球中継の間に挟まっている、ワンマン社長がやっていそうな通販CMです。カラオケのマイクを必死に宣伝する類ですね。もちろん、視聴者層に適しているから売れてはいるのでしょうが、そのほかの「健康のための野菜サプリ」「関節痛をよくする」「薄毛に困っていませんか!」に比べると、その違いは一目瞭然でしょう。商品名連発の垢抜けない感じは逆に目立っていますが、鉄則からは外れているのです。新聞チラシなどは商品名連発が多いので、同じように垢抜けない感じでやると埋もれてしまいますので、「あれでいいならウチも変えなくていいじゃん」とはいきません。

 

あなたの会社の広告を今一度、新鉄則と照らし合わせてみてください。

反応が鈍いワケが見えてくると思いますよ。

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