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マーケティングにおける間違いについて

マーケティングを売りつけるテクニックと思っていませんか?

 

マーケティングとは、市場調査と予測を行い、そこにどんな商品を投下するかという経営判断をする一連の流れのことです。つまり、企業活動の総体がマーケティングなのであって、広告がどうの、チラシのデザインがどうのという小手先の話ではありません。

 

近年のマーケティング神話といいますか、マーケティング=広告戦略という勘違いが生まれた背景は、そっれを助長する広告代理店等もあるでしょうが、楽して売りたいという即物的な時代の流れ、経営者の考えがあるようにも思います。

 

わかりにくかったかもしれませんから改めて噛み砕いて申し上げますと、「売るものが先にある状態でのマーケティングはありえない」ということです。

 

売るものが先にあるというのは、市場がないか飽和状態であったり、市場がない場合は作る努力もせずに、売りつける方法を考えろということですから、当然のこととして小手先でどうにかするしかありません。

 

マーケティングをがんばろうと決めたならば、会社を根幹から作り直す覚悟を決めたということなのです。売りたいものがあって、そのためにどうするかと考えるのはマーケティングではありません。だからこそ、市場調査をし、求められるものを見つけ、それを売ることがマーケティングの第一歩とされるわけです。しかしながら多くの場合、「これが売りたいので、売れる市場を探し、小手先で売りつけ、利益をあげる」ことがマーケティングと誤解され、そのために大量の人的、時間的、金銭的資材をどの企業もつぎ込むわけです。この誤解のおかげで高笑いする連中がいます。広告代理店とコンサルタントです。

はい、そうです。私のような人間です。

勘違いさせておけば儲かるんでしょうけどね、それは不義もいいところでしょう。限りなく詐欺に近い。

経営者は売りたいものを持っていて、それをヨイショしておけば相手はニコニコ契約してくれるでしょうし、手間もないんですけど、「それは多分、売れないですね」といわずして、お金を掠め取るような業態は信義則的にどうかと思うわけです。個人的意見ですが。

 

やはり、マーケティングには市場調査と予測は必須だと思います。なにか変えないといけないと感じたなら、売りつけ方を変えるのではなく、売るものを変えるべきです。

 

未来は予測できないか?

 

未来の予測困難性は間違いなく存在します。でも、こう考えることもできるはずです。例えば、南海トラフは確実に起こるといわれています。地震と津波はくるわけですが、それは今日か、それとも50年後かはわかりません。これを未来は予測できないからとほっぽりだすのか、必ずくるという予測ができていると考えるのか。視点の持ち方で印象は変わりますし、行動も変わるでしょう。

 

ドラッカーもいっていたことですが、「すでに起こった未来」を見ていれば、未来予測は可能です。突然やってくる自然災害や戦争の予測を数年前から予見することはできずとも、例えば少子化のような、現時点の子どもの数が減っているから、将来は大人の数も減るだろうという「すでに起こったこと」から「未来」を予測することはできます。

 

近年、健康志向が強まっているといいますが、有史以来、健康志向が弱まったことはありません。ですので、健康市場は続伸すると考えて差し支えありません。健康ブームが終わって、若くして病気になろうというブームがくることはおそらくないわけです。これはトレンドというよりも、すでに起こった未来です。予測可能な未来なのです。

 

明日、タピオカが流行るかナタデココが流行るかはわかりません。短期的のものはわからないですが、長期の視点を取れば、ほぼ確実と思えることはたくさんあります。

 

マーケティングの心得

 

経営者がマーケティングを口にするとき忘れてはならないのは、長期的視点を持つこと。過去を眺めて、いまこの瞬間にお客さんに売りつけるという発想から離れることです。そして前述のとおり、マーケティングは会社単位で作り直すほどの根本的な変化が求められるかもしれないということ。お客さんが求めていないものを売りつけるのではなく、求めているものをつくるわけですから、会社が丸ごと宗旨替えするくらいの心算が必要なのです。

 

いまの売り方がダメならば、下手に維持しないことです。売るものがダメならば変えざるをえず、売り方がダメならばいますぐ辞める必要があります。他者のやり方に負けていることがわかっているのに、食えているからと同じことを繰り返してジリ貧になるのは悪手です。

 

また、社内の人間にマーケティングから会社を作り直すので、お前が担当しろというのは最悪手です。変えるべきは社長です。社員はその会社が変わらないことをなにより望んでおり、納得しているから社内にいるのです。新しい売り方、商品を開発し、会社を変えたいなどと思っている社員はいませんし、いたとしても自由な発想で施策を打ち出して、社長や同僚に怒られたり、睨まれたりされるのは勘弁です。

 

まずまちがいなく、ロクなものは出てきません。USJのように、ゲームとコラボするなどという大胆なことはできないわけです。だって、USJはハリウッド映画のテーマパークという決まりごとがあるから。それが普通だと社員一同が思っているから。どんなにお客さんが求めていても、ゲームや漫画とコラボするとは一介の社員ではいえません。革命が起こせたのは、上層部がそういう決まりごとを撃ち壊す覚悟を持っていたからです。

 

マーケティングで会社を作り直す、変化させると思うなら、「お前に任せた」ではダメなのです。社長の肝いり、社長自身がやるしかない。実行に際して社員が抜けていっても仕方ない、担当者に全権委任のうえ、責任は社長が負い、その施策すべてを社長の名前で実行する。それくらいでなければ、社員は動きません。

 

長々と書きましたが、マーケティングは小手先の売り上げアップテクニックではないという点だけでもご理解いただければ幸いです。

また、なにか変えたいと思われることがありましたら、お気軽にご相談ください。

サトウユウト

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