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広告の鉄則「お客様が聞きたいことを書きなさい」

その広告はお客様に聞いてつくっているか?

 

私は広告デザイナーで、経営コンサルタントです。一応。

コンサルタントといっても、会計士のように数字をいじくるのではなく、広告などでの集客や職場の環境改善専門でやっております。

ですので、私のお客さんは主に「広告を頼んでくる人」と「広報に強いコンサルタントを雇いたい人」です。

 

私は、私のお客様に選んでもらう方法をほんのちょっとだけ知っています。お客様に選ばれるには、お客様の困りごとを解決すればいいのです。お客様の困りごとを解決したうえで、いい気分にすれば間違いありません。

 

ただ、一方で私は「売れる広告はこうだけど、こういう広告は依頼主が嫌がるから作らないでおこう」というジレンマを抱えています。お客様の困りごとを解決し、いい気分になってもらうことと、売れる広告をつくることは両立しないことがしょっちゅうあるのです。しょっちゅうどころか、ほぼ全部です。ないときが、ない。それくらいの勢いです。

 

広告を依頼してくる、私にとってのお客様は、「自分が話したいことを広告に書けば売れる」と信じてやみません。そして、そうでなければ広告なんて出さないといいます。当然です。印刷費も折り込み代もバカになりません。数十万円、数百万円はかるくかかりますからね。信じられないこと、自分にとっていい気分にならない広告は「出さない」という判断になるのです。

 

私はそれでもいいと思っています。私の生活上は、ですけど……。

 

広告デザイナーとコンサルタントの二足のわらじを履いているのは、私の良心がこの状況を許さなかったからです。

 

なにより、売れない広告を出させて、「いや〜新聞広告の反応率も落ちてますからね。継続は力なりですよ〜。ブランディングはどうのこうの〜」と、厚顔無恥もほどほどにしたまえというような営業トークをする広告や印刷会社の営業マンに辟易しているからでもあります。少なくとも、私はそうはなりたくないんです。

 

「社長や決裁者だけがいい気分になる広告」と、「お客様が欲しい!と思う広告」は、得てして一致しません。ちょっと考えてみてください。広告はお客様との対話です。第一印象を決めるといっても過言ではありません。これは、男女の仲と同じです。自分の話したいことをまくし立てるだけの相手と付き合いたいとは思いません。だからこそ、「女性の話をよく聞いて、解決策なども述べず、ウンウンと肯定してあげればモテる」なんて方法論があるわけじゃないですか。付き合っていようが、夫婦であろうが、人間は相手のことになんて興味はないのです。興味があるのは自分のことだけ。ましてや、広告なんて特にです。一方的に話したいことを羅列したって売れません。

 

このことに気づいた会社は、マーケティングを通して、お客様に直接何に悩んでいるか聞くようにして、それから広告の中身を決めているのです。聞きたくもない話を一方的にされるより、「それ、自分も知りたかったんだよね!」という話題がたくさん載っている広告のほうが反応がよくなるのは当然です。「どうして自分の悩みを知っているの?」「この人は自分のことをわかってくれている!」というところまで広告一枚で思わせるのがゴールです。

 

これは単なるお客様の獲得法、手練手管の話ではありません。「困りごとの解決」が、仕事の本質なのですから、お客様に困りごとを聞かない会社は選ばれないのは当然です。仕事の本質の話であって、小銭稼ぎの話なんかじゃないのです。自分のやりたいことをやるだけの会社なら、それは仕事とはいえませんし、得てして社会が存在を許しません。ドラッカーもそんな風にいってますしね。間違いのないところだと思います。

 

だから、会社の都合でこしらえられた広告なんて作りたくないのです。でも、それじゃあ食べていけない。私のお客さんは広告主であって、広告主が獲得したいお客さんではないからです。

……ああ、ややこしい。

 

でも、やっぱり、つくりたくない……。

 

だからこうして、啓蒙的にコンサルタントなどという恥ずかしい肩書きを持って、ノウハウを公開しているわけです。お客様の困りごとを無視するような広告を、私に依頼しないでくれーって。また、お客様の困りごとを解決するための方法を盛り込んだ広告を作らせてくださーい!! という側面もあります。ええ、包み隠さず申し上げれば、営業です。

 

売れない広告を作らなければ食べていけないけれど、売れない広告を作ると自分のせいにされて怒られ、また食べていけなくなる。なにより、売れないとわかっていて納入し、次回もヨロシク! なんていうのは良心が許さない。

……なかなか大変だと思いませんか?

 

もっと世間の広告主様が、お客様目線に本気になっていただければ、こんな板挟みも少しはなくなるだろうになあ、と思うのです。

 

どうしてそこまでするのかといわれることもあります。適当な雛形にそれなりの文言を流し込み、写真家とライターが用意したものを貼り付けるだけでいいじゃないか、と。でも、仕事は困りごとの解決なわけですよ。広告を任されたり、コンサルティングを頼まれるとき、私はその会社の社長や経営幹部のつもりで働こうと思っているんです。そこまでやって、はじめてプロだろうと思うんです。

 

最後に偉大な広告人、デビッド・オグルビーの言葉を引用しておきます。

教会に人がこなければ、魂を救うことはできない。

お客様を呼ぶこと。困りごとを解決して差し上げること。それが広告の使命であり、仕事の本質です。自分の偉大さを示したり、いいたいことを世間に喧伝するための道具ではない。この言葉を私はこのように解釈しています。

 

あ、忘れていましたが、広告のコンサルティングとかあればお問い合わせ(ツイッター)くださいね。四国の片田舎、徳島県でお仕事しておりますので。

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