1. HOME
  2. ブログ
  3. なんでも上司に聞く、やらせる社員をどうするか

なんでも上司に聞く、やらせる社員をどうするか

相談に際してルールをつくる

こうしようと思っているのですがどうですか

 

部下がなんでも上司に相談し、すべての仕事を上司がやることになる。そんな現場をみたことがありませんか。電話の対応ひとつできず、上司に折り返させますなどというわけです。

 

それでいて本人は「自分に能力がない」ことに気づいていません。こういう人ほど、右から左へ仕事を流していることを「がんばっている」と思ったり、「暇で仕方ない、上司は自分をないがしろにしている」などと被害者意識を抱いていたりします。

 

こんな困った社員をどうするか。

まずは社内にルールづくりをすることです。相談するうえでのルールです。

上司に相談するときは、「確認」の形をとるのが原則とするのです。

確認というのは、「私はこうしようと思いますがどうですか」という形式にするということです。上司はそれを聞いて、安易に「そんなもの、ダメだ」とはいわないように気をつけつつ、「こちらのほうがいい」ですとか、諸事情を勘案して「私が引き取ろう」という。

 

こうしなければ部下は頭を使うことなく、ただの取次業務だけをして仕事をした気になります。よくいうことですけれども、勉強でもスポーツでも、高みに行けば行くほど、自分の未熟さがわかるのです。しかし、本当に未熟な状態は、自分がどれほど未熟かすらわからない。赤ちゃん状態のままなのです。30代でも、50代でも赤ちゃん状態の人はいます。それが仕事だと思ったまま歳を重ねているのですから仕方ない。赤ちゃんのまま放置してきた会社や周囲の人間が悪いのです。

 

ちゃんと自分の頭で考える習慣をつけさせましょう。また、後輩があっさり赤ちゃんを抜いていく姿を見せることです。そこまでして自分の足で立てないようなら、残念ながらその人に社会人としての素質がない、といわざるをえませんね。

 

なぜこうすることが効果的なのか。人間は考えたり、決定すること、総じて行動することが面倒だと思う傾向にあるからです。つまり、「こうしようと思いますがどうですか」と聞く時点で、考えることと、決定することは済んでいる。だとしたら、いちいち上司に聞きにいく前に、やってしまったほうが一手間減って早い。前回はこういう相談をしたときに任されたから、今回もそれでいいだろうと行動に移せるのです。

 

こう仕向けていくことが大切です。また、そのうえで失敗した場合は、ちゃんとどういう理由でその判断がダメだったかを社内で共有することです。もちろん、その社員の責任にせず、上司の責任としたうえで、です。

 

ここまでしなければ、人間は自発的に行動するようにはなりません。ふつうの人は、なにもしたくないからこそ、会社員をやっているからです。

 

それでも自分で考えない、常時忙しい人間には

 

自分の頭で考えろというと、人間は面倒くさがりなので嫌がります。そして、「自分で考えろといって失敗したら怒るくせに」などといい、上司が仕事を引き取ってしまうと「権限が与えられない」などというのです。

 

これは、仕事をブラックボックスにしているから起こることです。これではいけません。仕事はオープンにすることです。全社員がどういうスケジュールで、どういう仕事を、どういう工程で、どれくらいの時間で処理しているか、可視化できるようにしていないから、自分は忙しいなどと思うのです。

 

広告屋などをしていると特にですが、朝から晩までデザインの本を読み、芸術だのなんだの情報を見聞きし、夜中じゅうパソコンとにらめっこしています。しかし、周囲から見れば額に汗しているわけではないので、仕事をしていないように見えるわけです。とんでもないことです。5時間、6時間と広告一枚のために頭を悩まし続けている。これが理解できない社員が多く、社内で軋轢が起こったため、ある会社はPC画面を常時監視できるようにしました。もちろん、「部下も上司の画面を確認できる」ようにして。

 

すると、忙しそうに仕事をしていた上司はメールすら開けないことがすぐバレた。というオチがつくんですが、ここまで徹底した監視状態は居心地もよくないですから、社内で全員のスケジュールを公開するアプリを使うことにしましょう。どの仕事をどれくらいやるのか、やったかをスケジュールアプリに登録するのです。また、先々の予定や、今抱えている案件の量などもスケジュールアプリですので入れておけます。

 

これで日報を書く必要もありませんし、手帳はバックアップ程度の意味しかなくなりますし、なにより上司や同僚同士で仕事を融通しあえます。ゆるやかに監視しあえばいいのです。出先に行くのに3時間もスケジュールの枠を取っていたら、「その間になにをしたのか」聞けますし、別に聞かなくてもいいのです。十分プレッシャーになりますし、時間に対する生産性をすぐに計算できますから、もっと生産性の高い人間と比較して、A君より生産性が低いのでボーナス査定はDランクといえます。

 

こうやって仕事を管理する仕組みのなかに、評価の仕組みを盛り込めば、嫌でも真面目にやらざるをえず、かつ嘘をついてサボるのが面倒で、金銭的にも損になっていきます。自分で考えず、空白時間だらけでロクに仕事をしていない社員は、スケジュールアプリが埋まりません。なにをしている時間なのか説明できないと、生産性はゼロです。そうなれば自分の給料やボーナスが低い理由は誰が観ても明らかで納得せざるをえないので、働かない社員、赤ちゃん社員の目を覚めさせるためにも、「確認」を仕組み化して、オートメーションで実践していただきたいと思うのです。

 

恐ろしい仕組みですが、ほぼ確実に成果が上がるはずですよ。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事

調べものですか?

最新記事

おすすめ記事

特集記事

About Author