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お客様は安さを求めているわけじゃない

安けりゃいいなら、買わなきゃいいんです

 

リスクがあるため、まだこのキャッチコピーを使ったことはないのですが、

安けりゃいいなら、賃貸が一番です

住宅会社の広告で、開口一番こういってみたいと思っています。

なにも間違っていませんよね? 家を買うと土地代もあわせれば数千万円。

一方、賃貸は月々せいぜい数万円。賃貸のほうが「安い」です。

 

それは表面的な安さじゃないか! という反論、お待ちしておりました。

そうです。まったくもってそのとおり。賃貸の方が安いですが、

月々払い続けるうえに自分のものにならない。

自分のものになったらいいのかというと、保険料や固定資産税があるので

一概にそうだともいえませんが、自分のものにはならない点は間違いない。

 

いかがでしょう。

お客様は本当に「値段」のことだけ気にしているのでしょうか。

本当はもっと高い商品も買えるし、買いたいと思っている。

でも、わざわざリスクをとってまで高い方を選ぶ理由がない

だから安さだけを追っているのでは?

つまり、あなたの「説明不足」で安かろう悪かろうを選ばされているのでは?

ということです。不景気だからだとか、

そんな高価格帯は売れないとか、言い訳をして自分の責任を放棄し、

世の中のせいにしているうちは改善の道はないと思います。

 

「安けりゃいいなら、XXXです」

を埋めてみてください。そういわれて「そのとおり!」と思うなら、

その商売、商品は安さを追求するほかありません。

しかし、「いやいや、そうじゃないだろう」という余地があるならば、

それはあなたの努力不足、説明不足です。

 

安くすれば簡単に売れます。安くして売れないのは救いようがありません。

そろそろ、価格ばかり伝えるのではなく、価値を伝えませんか

価値とはスペックの話ではありません。性能がどれだけいいかの話じゃないんです。

価値というものは、数字や呪文の羅列ではなく、もっと具体的なことです。

「こっちのパソコンはi7(Coffee rake Refresh)の6コアで〜」ではなく、

「このパソコンなら作業時間が半分になります」ということ。

その結果、家に帰るのが早くなる、家族との時間が増える、

あんなことができる、こんな暮らしができる。

実益としてイメージできることを伝えなければなりません

 

しかし、その製品に詳しくなればなるほど、この基本事項が守れなくなります。

すぐに他社と比較したり、呪文を唱えはじめるのです。

キッチンを売りたいなら、キッチンの性能紹介をするよりも、

おいしそうな料理をつくって見せるほうがはやい。

「最近のIHは高火力になったので、中華料理もこんなに美味しくできます」

これでいいのです。あとは各人が頭の中でおしゃれな料理をつくったり、

ホームパーティーをするイメージを膨らませてくれます。

そうなれば「欲しい」という感情が喚起され、

「買ってみようかな」「検討くらいしてもいいかな」と

踏み出してもらえるのです。

 

実益をイメージしてもらい、「なるほど!」と納得いただければ、

高くても買ってもらえます。説明不足で体験や納得がない、

あっても呪文を唱えられるだけだから、

面倒だし、安いもので十分だとなるだけです。

 

説明不足の実例のはなし

 

ホームセンターに行ってみてください。

これ、なんに使うんだろう? という商品がたくさんあるはずです。

はい、その時点で説明不足なんですね。

それらすべてに存在理由があるから、店頭に並んで売られているんです。

ですから、使い道を説明できれば、存在すら知らない、買うつもりもない人が

買ってくれるかもしれないんです。

例えば「ブレークリーン」商品名だけ聞いても、自動車整備工以外の人は

わかりません。これはタイヤのブレーキ周りの汚れを一撃で落とすクリーナーです。

ブレーキを分解して洗浄するのは大ごとなので、これさえあれば助かる。

そう説明してくれれば、タイヤホイール汚れてるし買ってみるかという人が

出てくるかもしれません。でも、それだけじゃまだ弱いですよね。

専門の用途ではないので非推奨ではありますが、

車のタイヤやブレーキまわりの強烈な油汚れすら落とすのです。

キッチンの汚れなんて……。もうおわかりですね?

これで一切車に興味がない人にもブレークリーンが売れるかもしれません。

ちゃんと価値を説明したからです。

 

また、泡で出るスプレータイプ食器用洗剤があります。

普通の洗剤よりお高いのですが、これ、ゴキブリ退治に使えます。

中性洗剤ですから、家具や床に少々ついても変色させることはありません。

面的にスプレーできるので動きのはやいゴキブリに対応しやすく、

キッチンに常に置いてあるので遭遇時にすぐに手に取れます。

ゴキブリは腹部に持つ気門という呼吸のための器官を泡で覆って、

界面活性剤があの体表の油膜を破壊するために窒息死するのだとか。

ちゃんと説明すれば、予想外の使い方を含めて「買ってみよう」と

思ってもらえるのに、ひとことも説明することなく、ただ並べたり、

買ってくれというかたが多すぎるように思います。

こういうところの手間を惜しんではなりません。

 

まとめ

 

安売り合戦に巻き込まれたくないなら、誠心誠意、

全力で買う側のことを考えてください。

大半の企業はこの視点を持てていません。めんどくさいからです。

群れから抜きん出るには、この面倒を乗り越えなければなりません。

当たり前のことを当たり前にできるだけで偏差値60なんです。

基本に忠実にやってまいりましょう。

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