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平等や公平を意識すると、つまらなくなる

平等であること、公平であることを本気で考えてみると

 

会社でも学校でも、人が集まれば序列や順位がついてしまいます。好きだ嫌いだという感情的なものでも同様です。そこで、会社なら「社長はもっと平等に社員を扱ってください」という人が出てくるでしょう。もしくは、言外に匂わせる人もいるでしょう。

 

そこで慌てて平等にしようとする。苦心する。

でも、ちょっと待ってください。それって本当にいいことなんでしょうか。

結果の平等、公平を求めていくとどうなるか、という話がよくなされますが、世の中平等なんて基本的にはないんです。平等な世の中があるのだとしたら、私の身長はもっと小さくないといけないですし、この体の病気だってなくしてもらわないとおかしい。不公平です。でも、そんなことをいったってはじまらないし、変わりません。どこかで折り合いをつけないといけない話なんです。

 

でも、「大人になれ」という話とも、ちょっと違う。

人と人とが集まって、仲がいい人とそうでもない人ができる。その結果として「平等じゃない」と怒る人が出てくるなら、むしろ「平等じゃない」と怒る人の問題なんじゃないかなあ、ということです。特になにか目的を持った組織であるならば、その組織の目的に合致していない「あなたのほうが平等や公平を乱しているのでは」といえるのではないでしょうか。

 

おもしろいことを考える人がいて、その人のまわりにおもしろい人が集まってくる。そうしてふつうの人も含めて輪ができたときに、その輪の外にいる人が「不公平だ。平等にしろ」というのなら、私がいえることはただひとつです。

「あなたもおもしろくなったら?」

これだけです。この突き放したような物言いは、とても残酷だと思います。でも、それ以外に方法がありません。その組織やグループにいたいなら、そうするほかないんです。私もいろんなところで突き放されてきました。こんな私ですが、自分では博愛主義者だと思っています。結果、自ら立ち上げたグループを上手く平等にしようとして、台無しにしたことも一度や二度ではありません。ダメなんです。平等にしようとしたら。平等というものはこの世に存在し得ないのですから。生まれたときから不平等で、死ぬまで違う経験をし続けるのに、平等なんてあり得ない。そこへ強引に平等や公平を導入するのだから、組織の具合がさらに悪くなるのは当たり前です。

 

不公平、平等じゃないという問題に対処しようとすると、全員が均質、均一にならざるをえません。個性もなく、おもしろくないものになります。だって、平等にして全員がおもしろくなるということはありえないですから。同じにしようとすると、下にあわせることになります。どんな世界もそうです。下の基準にあわせる以外にありません。

 

それがバリアフリーのようなものならまだいいのですが、能力や才能を下にあわせるとなると、途端に全部が台無しになります。学校の選抜試験も厳密には差別でしょう。バカは要りませんといっているわけですから、差別じゃなく区別だといいかえても、現実は差別です。でも、そうせざるをえないんです。まったく努力しない人や、能力が十分じゃない人にあわせると、全員がどうしようもないレベルになるからです。

 

実のところ平等であるより、際立ってすごい人が一定の基準で集まったほうが結果的にいい場合が多いはずです。下にあわせると、なにもできなくなってしまいます。ましてやそれがあらゆる人間の、あらゆる場面において平等であれ、等間隔であれとなれば、誰も愛することも、友達になることすらできなくなって、全員が等しく孤独にならざるをえません。

 

つまりは、集団や組織というものが元より差別を助長するものなのだから、そこに近寄るということは、努力する覚悟がいるということです。組織という互助の仕組みのなかに入っていくことは、そういうことなのです。

 

組織のなかでえこひいきは起こるものです。それがうらやましければ、えこひいきされるような能力や価値を提供するほかありません。それが嫌なら、組織から離れて自活するほかないんです。

 

つらい話ではありますが、中途半端な平等や公平で停滞するくらいなら、組織が壊れても徹底的にえこひいきしあったほうがいいのかな、とも思います。先鋭化しないと物事が前に進まないならば仕方のないことです。それが世の中に組織がたくさんある理由です。仲のいいふりをして、なにもせず、なにもできずに、ただ集まっているだけというのが一番よろしくないな、と思うのです。

もっとも、社会は分断すべき、というのとはまた別の話ですが。

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