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ローカル(地方)礼讃、街おこしの落とし穴

地域おこしの失敗パターン

 

みなさんは「地ビール」というものをご存知でしょうか。

かつて地ビールがブームになりかけたことがありましたよね。

で、いまどうなっていると思いますか?

なんか……聞かなくなっちゃったでしょう。

あれは定着したのではなく、一次ブームが衰退したのです。

いままた復活しはじめているのですが、なぜ衰退してしまったのか気になりませんか?

私はアルコール不耐症で、酒の香りで嘔吐してしまうこともあるので、酒の味はわかりません。

自分の舌にかけて話せないのが気がかりですが、ひとことでいえば、

「不味かった」のです。かつての地ビールは不味くって、とても大衆には受けなかった。

 

というのは暴論に近いのですが、美味しいビールが7、不味いビールが3くらいの割合でも、

不味いビールに当たった人は二度と地ビールを飲みませんし、

地ビール飲み比べなどのイベントで、美味しいものを飲んだあとに不味いビールを飲んだらば、

やっぱり強烈に印象付けられてしまい、高いし、大手の普通のビールでいいや……となってしまった。

こんなわけで、地ビールブームは退潮してしまったのですね。

 

このパターン、地域おこしでは本当によく見かけます。

すっごく美味しいパン屋さんが商店街にできた。

才能のあるシェフのレストランやお菓子屋さんができた。

そこに行政などがやってきて、「パン通り商店街」のようなイベントをやろうとする。

そうするとどうなるか。美味しいお店のほかに、そうでもないお店が混ざるんです。

「あの店はよくて、ウチはなんでダメなんだ!」

といわれたら、行政や商店街、商工会なら民間のように「不味いからだよ」とはいえませんよね。

結果、なあなあになって、そうでもないお店も混ざる。

そうすると、「不味い店」の印象が強烈に残って、コンビニの菓子パンでいいや。になるのです。

いや、コンビニのパンやお菓子っていまスンゴク美味しいんですけどね。

お金かかってますからね。大量生産のものとは思えない美味しさだったりします。

 

話が逸れたので元に戻しますが、こうやって、「地域全体でなかよし」をやると、

角は立ちませんが、角が立たないからお客さんにも引っかからないのです。

結果、イベントをやってはみたけれど、という需要の先取り、食い潰しにしかならない事例が

全国にたくさんあるわけなんですよね。

 

無理をしてまとめあげ、地域をパッケージングして売りに出すよりも、個別にがんばってもらい、

それを最大限応援する方がいいのではないかと私は考えております。

 

例えとして正しいかはわかりませんが、美味しい米農家さんの米は、そのまま買いたいでしょう。

農協へ持って行って、地域のお米とブレンドしちゃうと台無しになっちゃいませんか。

こんなことをいうと角が立ちますけど……。

品質を均一にしちゃったら、もったいないこともあるのです。

 

(ああ、また敵をつくってしまったか)

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