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ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営

NPOは営利を追求しない「だけ」だということ

非営利組織には目標もお金も必要です

 

営利的な通常の組織、つまり企業であれば、お金をどう稼ぐかを考え、売上や利益を取ってこい! と叫べばいいわけですが、非営利組織は「お金にならないけれど必要なこと」をするためにあるので、この一般的な大号令は使えません。

 

だとすると、どのようにして組織化していけばいいか。

ドラッカーがいつもいう「ミッション」というものが大切だという話ですね。

本書の中身は対談集で、しかもその内容は表面を撫でるだけであって、確信部に触れているとはいえないものです。ドラッカーが非営利組織について語っている本はほかにも出ているので、詳細はそちらで確かめられるといいかもしれません。

 

そもそもなんですが、日本とアメリカでは非営利組織への考え方が違います。アメリカは寄付文化。寄付したら税制上有利になります。だから寄付集めが大切です。一方日本は寄付文化がないので、自力で稼がなくてはならない。

 

これを日本は冷血文化だ、NPOが根付かないのは日本人の薄情さにあるという向きもあるのですが、NPOという採算度外視の組織に民業を圧迫されずに済むという側面があると私はみています。つまり、社会的に必要だけれど儲からないことをして、細々と食べていける可能性があるということです。もし寄付文化があったらば、どこかの大金持ちがドカンと寄付した瞬間に、それを生業としていた人は干上がってしまう。どちらが正しいというものでもないだろうと思うわけなんですね。

 

ちょっと話題が逸れましたが、特に日本が不利ということもないならば、運営において「寄付」という点を除けばアメリカと同じように、やるべきことを明確にして、誰に任せて、成果をどう評価するかという当たり前すぎて反応に困るようなことを丁寧にこなすしかないわけです。

 

自分たちがなにをする組織なのか見失わないこと。それがとてもシンプルな信念のもとにあって、誰にだって理解できることが、組織の発展と巨大化の際に効いてくるということです。これは営利、非営利問わずにそうだといえることですよね。

 

ちょっと特殊なタイトルなのであまりウケない本のようですが、名著集の4、つまり経営者の条件・現代の経営上下巻の3巻の次に置かれているのは、ドラッカーを知るうえでそれだけ重要だということなのだと思われます。

 

本書から学ぶべきは、お金を稼がない組織にも「ミッション(自分たちがいまやるべきこと)」が必要で、それはお金を稼ぐ組織ならなおのことだということですね。

 

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