顔が見える会社や商品の安心感
顔の見える野菜の魔法
生産農家さんの顔写真がついた野菜が産直市なんかで並んでいますよね。それだけで売り上げが3割ほど違うのだといいます。安いからだけでなく、指名買いする人もいるのだとか。確かに、そうです。どこの誰がつくっているのか見えた方が安心感があります。本当に安心かどうかはわかりませんが、責任を取りますという気概のようなものに応えたいという思いもしますよね。
そこで、農作物に限らず、顔を出すということがどれくらい効果があるのか、それって国内のトップ企業でもいえるのかな? ということで、色々と調べてみました。すると、興味深い結果が出たんですね。
社員が顔を出していると、200%近い効果がある
これには仰天しました。ほぼ日という糸井重里さんが主催するサイトの講義録から知ったことですが、藤野氏の調査によれば、対象のデータは国内の時価総額上位に位置する200社で、社長も役員(社員)も顔を出しておらず、株主向け経営資料に「弊社では」「当社は」といった法人が主語の会社を100として、一定期間その会社群の時価総額がどう動いているかをチェックしたそうです。一方、これと比較するための対照群となるのは、社長と社員の顔写真とプロフィールがあり、自社のことを「弊社」とはいわずに「私は」「我々は」といった個人を主語とした真逆の会社です。
この調査によれば、顔が見えず、主語も法人の会社は132と基準を取ったときよりも3割増加したのに対し、顔が見え、主語も私であった企業は210(110ポイント増)と倍増していました。時価総額の伸びだけを比較すれば、3〜4倍です。もはや相手にもなりません。
投資の世界は生産者と消費者が近い世界とはまったく異なります。しかし、それでも顔を出している会社が伸びるんですね。もちろん、顔が見えたからというだけで投資家が投資するとは思いません。でも、社長も社員も顔を出したくない、自分のことも語らないし、会社と自身を不可分のものとして「私は」という主語を使えない企業というのは、やはりそういう企業文化や風潮を持っていると推測できます。「金をもらうために勤めているだけ」という社員、場合によっては社長がいる会社と、社員の多くが顔を出して責任を負うことにやぶさかではない会社。どちらが商売の世界で勝つか、そんなゲンキンな話でなくても、いい商品を生み出すか。なんとなく答えは見えていますよね。
もしあなたの会社が顔を出していないなら、いますぐ顔を出すことです。そういう風潮があるならば、変える努力をすることです。「顔を出したくらいで儲けに関わったりしないよ」などという経営者も少なくありませんが、事実としてハッキリしていますし、間接的にも企業風土として会社の成績に直結するのです。与太話だと斬って捨てていては、社会に切り捨てられるのはあなたの会社ということになります。すごい会社は入社時に個人情報使用同意書を取っています。社員になったら、全員顔と名前をHPや広報に掲載する約束をするのです。拒否した場合は降格やクビもあるとか。それほどまでに社員のみている方向を揃えたい、そこまでやる価値がある、というわけですね。
ちなみにですが、ものをつくり、売るという生産者や企業でもないのに、いち早く「顔を出す」「個人情報を公開する」という方針を導入している会社があります。証券会社や投資顧問企業です。アメリカのゴールドマンサックスなどが有名です。彼らの仕事は、企業に投資することです。彼ら自体は消費者と出会う仕事ではありません。それでも、経営者や社員は顔を出し、それぞれに個人ページまで用意されており、履歴書か! というような詳細な経歴まで掲載されているのです。
彼らは生産消費の最前線から最も遠いのに、このような努力を続けているのです。なぜここまでするのでしょうか。想像するに、彼らにとって一番大切なのは「信頼」だからです。ひとりふたりの顧客から信頼を勝ち取れなくても痛くもかゆくもなさそうな、大企業から投資会社までこうした努力を怠らないのに、どうして中小企業は顔を出さないのでしょうか。信頼が大切といいながら、どうでもいいと思っている証拠ではないでしょうか。社員を大切にする、お客様を大切にするといいながら、会社の商品ばかりデカデカと掲載している企業HPを見るたびに、ひねくれ者の私は「一番大切なのはそっちなんだね」と思ってしまいます。
信頼の必要性は大企業より中小のほうが切実です。都会の企業より地方の企業のほうが重要です。そうであるならば、顔を出さないという選択肢はありません。地方だと顔を指されるから嫌だという経営者も多いのですが、自分の顔で商売できないで、一体どうやって経営していくつもりなのかと常日頃もどかしく思います。大企業に踏み潰される前に、顔を出したがらない地方で、我先に顔を出す。企業淘汰時代にできる、手っ取り早い経営改革です。いますぐできて、こんなに即効性のあるものなんてそうそうありませんよ。ぜひ、ご検討くださいませ。
こんな自己紹介もあり
とはいえ、絶対に顔を出さないという社員や、アルバイトの子などもいるでしょう。お客様からすれば、社長であろうがバイトであろうが、一番最初に応対した人間が会社の顔なのですから、全員の顔が見えているほうが安心なのは間違いありませんが、顔を出せない場合、動物や食べ物に例えてしまうというのも手です。このほか、趣味の写真やデスクの写真などを使って演出している会社もあります。そのなかからギアエイトさんを紹介させていただこうと存じます。
・ギアエイト様 https://gggggggg.jp/member/

1年半で80kg痩せたの徳島文学協会員。趣味は人文系の本を読むことで、何度「断捨離」しても蔵書が3000冊を超える活字中毒者。仕事は広告デザイナー・社員教育コンサルタント・編集者ですが、徳島県阿南市に地域おこしのために私費で「e-sports・ゲームセンター」を新築中。ゲーセンのオヤジもやることになりました。
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