『「好き」と「ネットを接続すると」あなたに「お金」が降ってくる』立花岳志

好きだから、続けられる

よくある勘違いとして、「ネットって簡単に儲かるんでしょう？　さっそく広告収入で儲けるためにブログをやろう！」というものがあります。結論からいえば、儲かりません。2004年ごろ、ブログがはじまったばかりで、mixiといった初期のミニブログなども登場していた時代、私は我先にとブログをはじめました。結果として、たくさんの読者さんから応援してもらえたり、ぜひウチの広告を貼ってください！なんて企業や中小の新聞社さんからお声がけいただきました。とてもしあわせな時間でしたが、私はお金儲けをするためにはじめたわけではなかったので、無料のブログサービスのために強制表示される広告を除いて、自分の収益となるような広告は一切置きませんでした。それでもなんだかんだとブログを続け、同時に情報サイトのライター（記者）もやっていたのは、単に書くことが好きだったからです。儲けたいからはじめたわけでも、続けたわけでもありませんで、結果として数千もの記事がいまもネットのどこかに漂っているはずです。

儲けるためになにかをするということは、即効性のないブログの世界には向きません。一番速そうな世界ですけれど、収益があがりはじめるのはせいぜい半年後。それまではほぼタダ働きです。そして、収益にならないことだって相当あります。もしあなたが、無給でもやりたい、お金を払ってでもやりたいと思うほど「好き」なことがない場合、ブログをはじめてもどうにもならない公算が高いです。また、ブログを書くという行為自体も面倒なので、これが継続できる人でなければやっぱり難しい。2つ揃って、はじめてスタートラインに立てると考えたほうがいいでしょう。

だとすると、お金が欲しいからなどという動機では続かないことは目に見えていますよね。そのうえネットの世界は文字通りグローバル。地球規模がライバルです。好きで好きで仕方がなく、書きたくて書きたくて仕方がないうえに、「天才」と呼ばれる連中と、即、あなたは比べられることになります。これに勝つ、ないしは伍していくには、やっぱり生半可なきもちではどうにもならないんですね。

これらを踏まえたうえで、続けられること、得意であることをブログで発信していくことで、夢に近づいていくというのが本書のいいたいことだろうと考えます。また、続けるためのテクニックもいくつか紹介されており、もっと高度なことでなければいけないのではないか？　といった、専門家ゆえの葛藤はひとまず脇へ置いて、とにかくハードルを下げ、毎日続けることを選ぶのです。ダイエットの記事を書くなら、はじめのうちは「今日はダイエットできませんでした」でもいいわけです。好きなこととネット（ブログ発信）を続けることを、生活に組み込むのが第一ですから。計画が一度でも狂ったただけで、人間は簡単にやる気を失いますから、計画が狂うような高度なハードルははじめから設けないのですね。完璧主義でいつもはじめられない、三日坊主になるというクソ真面目な人にこそ効くテクニックかもしれません。

サトウユウト

1年半で80kg痩せたの徳島文学協会員。趣味は人文系の本を読むことで、何度「断捨離」しても蔵書が3000冊を超える活字中毒者。仕事は広告デザイナー・社員教育コンサルタント・編集者ですが、徳島県阿南市に地域おこしのために私費で「e-sports・ゲームセンター」を新築中。ゲーセンのオヤジもやることになりました。