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社内報やイントラネットで「きょうの失敗」を共有する

失敗・クレームは即、お金になります

 

あなたは仕事上、失敗したらどうしますか? 大抵、自分で解決しようとしますよね。それで、その場しのぎをしたり、都合のいいことをいったりして、場当たり的に解決して終わり。これがほぼすべての社員の働き方です。なぜって、人間には、くだらない自尊心がつきもので、なおかつ仕事という世界において失敗、ミスは評価と給料に関わるからです。怒られたくないというきもちもあるでしょう。だから多くの人間が適当なことをしてごまかしたり、隠すのです。社長や上司の仕事は、そういうのを「見つけ出す」刑事や探偵のようなものではなく、そういうことが起こらない仕組みをつくることであり、仕組みをつくるためにはどんな失敗が起こっているか、対処すべき事件を把握する必要があります。事件の把握には上司が嗅ぎ回ったり、チクらせたり(密告のことです)するのではなく、自然に報告される、これまた「仕組み」をつくることなんです。

 

その範を示すために、社長や上司が失敗をしたり、クレームを受けたら、即全社員にどういう失敗をしたかを共有する仕組みを導入します。その件についてどう対処したか、その結果どうなったのか。クレームの場合はお客様が納得いただけているのか、継続処理案件かを緊急で共有することです。クレーム対応は初動です。その日のうちに謝りにいくか、話を聞きにいくのが原則で、日を伸ばせば伸ばすほど怒りは増幅しますし、担当者はほとぼりが冷めるだろうと離れようとしたり、策を弄して事態を悪化させます。そうさせないためにも、即共有が必要です。

 

また、失敗への対応、クレーム対応の結果が出た場合、どう対処したのかも共有します。このとき、もっといい解決法はなかったかや、同じ失敗を起こさないための方法やルールはないかなどを議論し、そこから対応マニュアルを策定します。基本的に失敗するのは新人ですから、マニュアルづくりとファイリングは新人が担当することになります。面倒ごとを抱えるのは嫌ですし、自分の失敗を直視するのは辛いですが、それについて十分社内で考えてもらえているという実感があれば、新人のきもちは離れません。ですので、ミスやクレームが起きたとき、こっぴどく叱ったり、呆れたような態度で戒めるようなことはしません。この一連の作業で十分に懲戒・矯正されるものと考えてください。

 

さらにファイルを見ていれば、いまは偉そうにしている先輩社員や社長すら「ありえないミス」をやった過去が記録されているわけで、ことさら落ち込むこともないんです。こうした失敗を共有できる組織というのは、組織がひとつの人格を持つようになり、全社員の能力水準やモチベーションが高まります。ひとりひとりの社員が失敗を個々に隠して対応する会社と、全社員の対応力が集合知を活かして高まっている会社、どちらが優秀で、強い結束を持っているか、いうまでもありませんよね。

 

会社の違い、文化というものは、こういった小さなところからはじまるのです。早速、失敗やクレームについての閻魔帳、早見表を作成しましょう。新しく入ってくる社員教育にも使えますし、社員同士の交流も活発になります。「くだらない自尊心」は捨てて、どんなリストをつくればいいか、いますぐ手を動かしてみてください。

 

まとめ

 

  1. 失敗・クレームを共有する
  2. それについてどう対処したか書く
  3. その結果どうなったか書く
  4. 対応が適正だったかや、失敗しないための仕組みを議論する
  5. 会社としての対応マニュアルを策定する

 

種別、年月日、誰がどこで起こしたかといった分類を、ビフォーアフターの画像付きでファイリングしていきましょう。失敗のカタログをつくるのです。社員教育の際にはそのカタログを読ませるんですね。支社が多い会社は、同じファイルを製本し、会社の心得や就業規則とセットでB5サイズの手帳として配布ているところもあるそうです。

 

ある会社はここに「そのミスがなければ儲かった金額」を大きな文字で書き込んで、「この改善で◯◯円儲かった!」とおおよろこびするマスコットキャラのイラストが添えられているようです。ネガティブに捉えたり、叱責目的ではなく、たとえそうだとしても、次にその失敗が起こらなければ「儲かる」というポジティブな言葉を用いることで、単なる叱責に終わらせない救いの妙手だと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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