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社員が育たないのは社長のせい|社員教育の基本

今いるメンバーがベストメンバー

いい社員は優勝できる会社を選ぶ

 

プロスポーツチームを見てください。大枚叩いて選手を集めたり、目先の利益にこだわらず、練習器具や職員といった環境に力を注いだ結果、力をつけているチームがあります。教育の大切さ、未来への投資の大切さを感じさせます。一方で、弱くても親会社やスポンサー会社が大金持ちで、金に糸目をつけないといっているチームもあります。しかし、何十年も優勝できません。お金は出すといっているのに、なぜでしょうか。

 

大切なのは、お金だけじゃないということです。いいですか? 「お金じゃない」ではなく、「お金だけじゃない」です。ここを間違ってはいけません。ただ、お金を出すといっても選手はきてくれないんです。なぜなら、選手たちはどうせ活躍するなら、強いチームで優勝して、もっともっと実力と自信をつけ、給料を増やしたりチヤホヤされたいと思っているからです。

 

これはなんら不純な動機ではありません。これが不純と感じるのは、それこそ不純な感情です。社員は奴隷になるのがベストだと思っている証拠だからです。そんな会社にまともな社員はきませんし、そういう様々な理由で会社は成長していきませんから、社員にとっても魅力的ではないわけです。

 

選手はお金をたくさんくれて、なおかつ優勝争いができるようなチーム、あわよくば優勝できるチームにいたいものなのです。

 

あなたの会社はそうなっていますでしょうか。

 

優勝争いができないのが明白なら、どんなに願ってもいい社員はきません。そうしていつもの決まり文句をいうわけです。

 

「いい人がいない」「社員が成長しない」「バカばかりだ」と。

 

社員の無能は社長の責任

 

中小企業のブレーンは社長です。社長自身が変わらないと、会社は変わりません。具体的にどう変わるかですが、社員の責任にしないことです。そんなことをしてよくなることなど、ほぼありません。まずは、いまいるメンバーを強化し、環境を整備し、最下位争いから脱出すること。いつでも中堅、調子がよければAクラスを目指せるような会社づくりができれば、地元愛などを理由に優秀な社員が入ってくるかもしれません。

 

外からとってきたり、ある日突然覚醒するような期待はせずに、一歩ずつ、着実に鍛え上げていくしかないのです。社員が優秀じゃないなら教育するしかないのですから、そこに手間暇を惜しんではいけません。いままで社員教育など施さなくても利益は出ているからと放置していると、どんどん優秀な社員は他社に流れます。自由経済の世界では、停滞、現状維持は基本的に「後退」です。

 

これからも継続して企業を運営するためには、社員教育は必須なのです。普通の人材を、なかなかいい人材に変えること。そのノウハウを蓄積することで、人の入れ替わりにも耐える企業をつくることです。

 

 

社員教育の基礎

勉強嫌いの社長は最悪手

 

まず知っておいて欲しいのは、社員に「だけ」研修や出張を課す社長は最悪だということです。自分は忙しいから行かないというのは、根本的に社長業ができていない証拠です。業務の最前線で働いていて、自分の代わりに暇な社員を行かせるというのが社内の矛盾をあらわしています。

 

まず、社員というものは社長と別の生き物だと理解しなければなりません。彼らは給料さえもらえれば、会社の成長も倒産も知ったこっちゃないのです。ですから、「セミナーに出て勉強してきなさい」といっても、内心では「そんな無駄金があるならボーナスで還元しろよバカ」と思っているのです。口では「はい、わかりました」といいますが、「右の耳から左の耳へ抜けました」という意味くらいしかありません。

 

彼らに気概や度量、社長の3割でも愛社精神があれば、独立開業しています。社員は努力しないものです。そもそも、人間だけです。努力するのは。動物は努力せず、環境によって淘汰されますが、環境の変化に自覚的に適応し、努力してまで生き残ろうとするのは人間だけ。それも優秀な人間だけなのですから、土台無理なはなしです。期待してはいけませんし、責めるなどもってのほかです。

 

社員だけ勉強しろというのは絶対にやめましょう。愛社精神が減じて、会社のキャッシュが減るだけです。なにひとつ得をすることはありません。

 

社長だけ勉強するのも悪手

 

反対に、社員に勉強させず、社長ばっかり優秀になるのも悪手です。社長ばかり優秀になると、ますます社員がバカに見えます。すると、そういう態度が端々に出たり、そうならなくても昔の社長と変わってしまった、距離ができたと感じて社員が離れていきます。

 

社員教育に大切なのは、会社の方向性や価値観を社員と共有することです。

 

ひとりで勉強してもダメなのです。

 

「この会社は将来こうしていきたい。そのためにはこういったセミナーを受けて、こういう社員を増やして、こんな企業文化や企業価値を実現したいんだ……」

 

ということを社員と共有するために実行するものです。給料や地位を人質として、スキルアップや資格を強引に取得しろと脅すことではありません。

 

しかし、ほとんどの会社が社員教育を勘違いしています。テレビゲームのステータス、パラメーターのように、研修を受ければ自動的にレベルが上がって優秀な社員ができあがると信じているからこそ、資格を取れ、講習を受けろと脅すわけです。また、そう仕向けることで社内の統制権が誰にあるか見せつけてやろうとします。社長はそんなつもりがなくても、指示権限を持っている人間がそういう価値観なら同じことです。そういったいびつな価値観をそろえるためにも、社をあげて全員で学ぶ必要があるわけです。

 

当たり前のはなしですが、社員を従順な奴隷にしようとすると、指示待ち人間になります。ふだん社長が自律的に動ける社員を社長が毛嫌いしているのに、都合のいいときだけオリジナリティを発現させ、会社の利益になるなんてありえない話です。

 

まったく反対に、社員を自律的に動けるようにすれば、資格が必要な理由を説明すれば納得しやすいでしょうし、場合によっては「この研修を受けたいのですが」といってくるかもしれません。いままでよりはオリジナリティのある企画も出やすくなるでしょう。もちろん簡単ではありません。ありませんが、そう仕向けないことにはいつまで経っても指示待ちの社員が集まるだけで、会社の業績は好転しません。この難問をクリアした会社だけが次の時代に進めるというだけです。原則動物は努力しませんから、あなたも会社も努力しなくてもいいのですが、もしそうなら社員にだけ努力を強要するのはやめないといけませんよね。

 

社員教育は質より回数

 

効率的に社員を教育したい、すぐに利益をあげたいと願うばかりに、「1回の参加で社員が劇的に変わる!」ようなセミナーに応募する社長がいます。これはダメです。絶対に、ダメです。やるなら5回開催などのものに参加してください。といいますのも、1回で開催するセミナーは、1回しか開催できないセミナーなんです。「ギュッとコンパクト」なのではなく、1回分のネタしかないセミナーです。大学の授業は半期で12〜15回ほどありますが、あれはそれだけの回数、学ぶ内容があるから複数回にわかれているのです。

 

単発セミナーは忙しい社長の心をくすぐる仕組みで、なおかつ1回分のセミナーの準備で済むので手間がなく、思いつきで成立してメチャメチャ儲かるのです。甘い話はありません。

 

また、こんな内実を知らなくても想像すればわかります。あなたが意中の異性に好かれたいと思っているとします。

「はじめまして。私は◯◯といいます。婚姻届を持ってきたのでサインしてください」

相手はすぐにサインしてくれますでしょうか?

 

いわずもがなですよね。そりゃあ一発で済めば楽です。でも、そんなことはない。人間の成長、変化、コミュニケーションは、質より回数と決まっているからです。ある日、ある本をきっかけに人生が変わることもありますが、全社員にそんなものに期待するのは非現実的でし、人間は忘れる動物だということも勘案すれば、やっぱり継続して反復練習するほうが最終的には効率がいいのです。

 

一番いいのは、セミナーの内製化です。全員で一斉に学ぶのもまた、非現実的ですので、社長や幹部社員だけ学んで、それを社内勉強会化するわけです。社員が講師になり、自社で教えるようにする。そういう文化があれば、効率的に一律教育ができますし、なにより月一、週一開催も可能です。無駄な会議をするくらいなら、会社の方向性を共有する時間にあてたほうが、会社全体の結束力が増し、結果としていい方向に進みはじめるものです。

 

 

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